内容説明
代表的な26の質的研究法を取り上げ、それぞれの特徴を概観できるよう四象限マトリクスを用いて整理(マッピング)し、第一線の研究者が解説。方法論的基礎や、新しい動向もカバー。最良の方法を選んで活用するためのこれまでにない入門書。
目次
序章 質的研究法を理解する枠組みの提案
1章 「過程×実存性」―モデル構成
2章 「構造×実存性」―記述のコード化
3章 「構造×理念性」―理論構築
4章 「過程×理念性」―記述の意味づけ
5章 質的研究の方法論的基礎
6章 質的研究の広がりと可能性
著者等紹介
サトウタツヤ[サトウタツヤ]
佐藤達哉。立命館大学総合心理学部教授。専門は応用社会心理学、文化心理学、心理学史。博士(文学)
春日秀朗[カスガヒデアキ]
福島県立医科大学医学部衛生学・予防医学講座助手。青年期の子どもが親の養育態度をどのように意味づけ、影響を受けてきたのかについて研究している。博士(文学)2019年取得予定
神崎真実[カンザキマミ]
立命館グローバル・イノベーション研究機構専門研究員。通信制高校や単位制高校をフィールドとして、学校における居場所のデザインを検討している。博士(文学)2018年取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hamu
4
文化心理学がメインだろうが、他分野でも使える内容構成。内容も複雑に書かれておらず、読みやすく使いやすい。特に序論、本書の構想で掲載されている図1が使いやすい。自分が今使っているあるいは読んでいる方法が、どこに位置するかをすぐに把握できるので、私はこれをコピーし、持ち歩いてる。また、この図に見られる多様な方法の配置が絶対的ではないので、一つの契機として学んでほしい。そう著者たちは強調している。この点も親切だ。用語の訳が残念な箇所もあったが(歴史的構造「ご」招待?)、内容理解への影響はないので問題ないかと。2019/12/13
環世界
2
心理学におけるさまざまな質的研究の手法について、方向性ごとに分類し、それぞれを簡潔に解説したもの。心理学では質的研究もある種の「科学的」な手続きを備えた方法論として体系化しようとする強い志向性が感じられて、ずっと質的研究をやってきた人文社会系の人間にとっても興味深く有用な一冊でした。2020/07/22
さみー
2
質的研究法が採用された論文を読む際、分かったつもりで読み流してしまっていることはあると思う。本書を手元に置いておくことで、「この研究法はどういうものなのか」「他に妥当な研究法は無かったか」「筆者の研究関心と研究法に論理的整合性はあるか」といった批判的検討を加える上で、手軽な指標とできるように感じられた。もちろん本書のボリュームを考えれば、それぞれの執筆担当者の著作なり論文なりに遡ることは必須ではあるものの、マトリクス図も分かりやすくまとめられており、入り口としては使い勝手が良いものであると感じられた。2020/02/24
阿部
1
必要に駆られて一気に読む。この本だけでは具体的な分析を進めることはできないが、自分自身の研究計画が念頭にある状態だと、個別の方法から示唆を受けるところが多く参考になる。また、方法についてだけでなく、さまざまな方法の背景には(時に異なる)哲学的前提があることについても理解が深まる。ここに書かれているすべてを理解しようとするような使い方ではなく、ここでは全体像を捉え、必要な方法については既往研究や参考文献にあたっていくのがよいだろう。2025/04/20
kuma-kichi
1
さまざまな質的研究法をマッピングした。 「なるほど」と思うものも、「そうかな」と思うものもあり。2024/08/03
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