内容説明
モズ、カラス、スズメ、フクロウ、ウ、オオタカ、ヤマシギ、オオミズナギドリ…さまざまな環境に適応して高度に進化した鳥たちは、苛酷な状況を生き抜くためにみごとな知恵を発揮する。感情表現豊かなその生態は、知れば知るほど、人の姿を連想させる。文化人類学ならぬ、「文化鳥類学」の視点から、鳥たちの社会を、いきいきと描くネイチャー・エッセイ。
目次
1 鳥社会の不思議(モズの恋;彼か?彼女か?アオバズク ほか)
2 驚異の身体システム(鵜の目鷹の目;渡り鳥の燃料消費率 ほか)
3 自然界のバランス(鬼子母神のシステム;慈悲と本能 ほか)
4 野生と適応(白鷺・黒鷺・白黒鷺;オートライクスの末裔 ほか)
著者等紹介
柴田敏隆[シバタトシタカ]
1929年、横須賀生れ。コンサーベイショニスト(自然保護に、話のわかるプロとして携わる人、の意)。(財)日本自然保護協会理事。横須賀市博物館学芸員、(財)山階鳥類研究所資料室長を経て、フリー。NHKテレビ「茶の間の科学」「ポケットサイエンス」に長く出演し、ユニークな語り口で人気を博した。第9回田村賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
295
副題にもあるように、著者は「文化鳥類学」を標榜する。それぞれの鳥たちが持つ固有の文化、あるいは人間社会とのかかわりの中での人間の側の鳥をめぐる文化が語られる。各篇は短く、題材も身近なところから取られていて、分かりやすい。もちろん、これまでに知らなかったことも多々紹介されている。例えば、ハイタカ(小型の猛禽類)1羽が生存するには一年間に779羽のシジュウカラ(換算値)が必要で、シジュウカラ1羽は125,000匹のマツシャクトリ(換算値)が必要であることなど。食物連鎖を通じて、自然界の脅威の一端を見る思いだ。2017/03/16
小梅
85
作者は本当に鳥が好きなんだなぁ〜とニマニマしながら読了しました。 途中で紹介されていた本で気になる本が何冊かありました。薮内正幸画伯の絵が素晴らしかったです。2017/01/26
鱒子
63
友人本。これは良書。鳥にまつわる豆知識とエッセイです。私はエッセイが好きですが、なかでもこの本はとりわけ面白かった! 「文化鳥類学」を掲げる著者。なかなか昭和の男全開で、文体も古い感じがします。しかし、自分の視点を大事にしながらも 鳥目線に変えてみる柔軟な姿勢、見習いたいです。鳥の囀り方がいろいろ載っています。口真似しちゃったりしながら読了。2018/11/30
魚京童!
19
面白いけど、偏ってる人。2017/07/16
kimi
10
この本、すごーく面白かったです。もう一度読もうと思います。