社会学の理論でとく現代のしくみ

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  • サイズ A5判/ページ数 325p/高さ 22X16cm
  • 商品コード 9784788503922
  • NDC分類 361
  • Cコード C1036

出版社内容情報

 複雑で錯綜する現代こそ理論が求められている! 編者率いる17人の気鋭の社会学者が現代の「謎とき」に挑戦,結婚式から近代の行方までの多彩なテーマにスリリングに迫る。移ろいゆく現象の背後にひそむ,時代の構造と力を鮮やかにとらえた注目作。

 「資本主義・社会主義パラダイム」に代表される伝統的な「社会体制」や「経済体制」の理論は、この複合的自己組織性一般を主題化する理論の特殊ケースと位置付けられるべきであろう。「資本主義・社会主義パラダイム」の、終焉に与するにしても再建に与するにしても、国家レヴェルを偏重する在来型の体制論の制約を突破しなければならない。しかしながら、以上のような世界の社会科学を巻き込む人類規模の歴史の渦にくわえて、特殊日本的な歴史状況を力説しなければならない。明治いこう続けられた欧米近代文化=人類普遍文化の移入、すなわち「近代化」や「先進化」が一応の達成を見るにおよんで、現代日本の文化的営為は、文化の伝承から文化の創造へと大きな転換をせまられている。文化輸入から文化輸出への比重の移動である。社会科学も、そしてまた社会学も、その例にもれない。文化伝承と文化創造は、文化発展の不可欠の両輪であるが、明治いらいの日本の効率的な近代化=先進国化への要請が、欧米近代化に関するかぎり、その伝承を重視させてきたことはまぎれもない事実である。(「あとがき」より)

 ・「ダ・ヴィンチ」96.11月 紹介
 ・「時事通信」92.1.14 堀内 守氏評
 ・「ソシオロジ」 特集「私の大学教科書論―社会学」井上 俊氏評

内容説明

本書は、現代の具体的な社会現象を理論社会学的な視点から解明しようという、17人の中堅および若手の社会学者の手になる論文集です。現代のしくみを「謎とき」したいという共通のモティーフにつらぬかれた作品集です。

目次

1 わたしとあなた(登校拒否―誰が「病気」を「治す」のか;家族らしさ―なぜ家庭内離婚は「離婚」なのか;私の構成―他者と私はどんなネットワークをつくっているか)
2 伝統と近代のはざま(結婚式―なぜ披露宴はハデハデか;町内会―なぜ全戸加入が原則なのか)
3 彼岸をみつめる(新新宗教―なぜ若者は宗教へ走るのか;死の位相―信仰は医療に優越するか)
4 組織のなかのわれわれ(組織アイデンティティ―帰属意識はどう変わってきているか;組織の世界―公式組織とは何か)
5 新しさという環境(都市文化―なぜ都市はつねに「新しい」のか;自己表現―近代的表現様式はいかに変貌したか;情報化―情報革命は何を生むか)
5 誰が社会の主人か(選挙―勝ち負けを決めるのは何か;社会紛争―なぜ原子力をめぐる合意形成は困難か)
6 世界はどこへ向かっているのか(権力―何が東欧改革を可能にしたか;近代の行方―資本主義が近代を変容させるとは;女性史と近代―フェミニズムはどうとらえてきたか)