出版社内容情報
近年、アジア太平洋戦争時の基地や防空壕、軍事工場などの「戦争遺跡」の調査や保存・見学が各地で盛んに行われるようになった。戦争末期に特攻隊の訓練基地ともなった陸軍前橋飛行場のケースから、戦争遺跡の考古学が当時の歴史を語る上で多大な役割を果たすことを訴える。
内容説明
アジア太平洋戦争の末期、群馬県高崎市の郊外に陸軍の飛行場が急造された。農地をつぶしての造成と住民・児童の勤労奉仕、特攻隊の突撃訓練、米軍の空襲など、戦争の実相を考古学的発掘調査と地元資料、米軍資料などから明らかにし、戦争遺跡発掘の意義を訴える。
目次
第1章 村に飛行場がやって来た(榛名山の裾野;陸軍の本土飛行場計画 ほか)
第2章 飛行場造成の痕跡(細長い発掘区;接収された田畑 ほか)
第3章 飛び立った特攻隊(特攻隊の訓練基地へ;訓練と苦悩の日々 ほか)
第4章 空襲、そして敗戦(機能を失う飛行場;対空機関銃砲座の発見 ほか)
著者等紹介
菊池実[キクチミノル]
1954年、群馬県生まれ。國學院大學大学院博士課程前期修了。現在、(財)群馬県埋蔵文化財調査事業団主席専門員。第32回藤森栄一賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rbyawa
1
e332、昭和16年の時点で太平洋戦争が始まって、昭和17年に全国的に調査が行われて昭和18年以降に作られたという飛行場の一つがこの陸軍前橋飛行場。教育のための飛行場らしいんですが末期に特攻部隊が所属していたのもここ、ということになってしまうのか。もともと水田の中に作られたので戦後1951年にもとの所有者に返され、その結果保存状態が良かったんだろうね、県道を作る時に近くを通るために再調査。もともと戦争遺産系の人で他のシリーズとは著者さんの系統も違うっぽいね、飛行場で生活していた人や施設などの話もあります。2014/11/28