内容説明
近代日本のアイヌ政策を、教育にあらわれた「差別」と「同化」の問題を問い返す視点から明らかにした論考および、明治期の国定教科書のアイヌ記述を分析し、現代にも通じる問題点を詳述した「虚構としての“あいぬの風俗”」などを収録。
目次
1 近代アイヌ教育の歴史像(近代日本のアイヌ教育―同化教育の思想と実践;近代日本のアイヌ「同化」政策;近現代アイヌ教育の歴史像のために)
2 近代アイヌ教育史の諸相(アイヌ教育(史)研究の視点
遠藤正明のアイヌ教授実践と開発主義教授法―札幌県のアイヌ教育をめぐって
上川第五尋常小学校関係史料)
3 教育のなかの“アイヌ民族”―教育実践への視座(小学校用社会科教科書に描かれた“アイヌ民族”;虚構としての“あいぬの風俗”;地理教科書のなかのアイヌ像―日本人のアイヌ認識の形成;小学生のアイヌ観;宇野浩二の児童文学とアイヌ―被抑圧民衆・民族への関心)
著者等紹介
竹ヶ原幸朗[タケガハラユキオ]
1948年北海道札幌市生まれ。道立札幌南高等学校をへて国学院大学文学部史学科を卒業、東京都立大学人文学部教育学教室の研究生として小沢有作のもとで学ぶ。このころからアイヌ教育(史)に関する研究に取り組み、以後、この分野の研究の先駆者として、近現代アイヌ教育史の通史像の構築、教科書記述や青少年のアイヌ観などの実践的な研究課題の追究、アイヌ教育(史)文献目録の編さんなどを通して、研究の基盤と視野を切り拓き続けた。『北海道用尋常小学読本』の研究や北海道教育会機関誌の復刻事業など、近代北海道教育史研究にも大きな基礎的蓄積を築いた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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