内容説明
江戸時代の山岳修行僧・播隆の開山から180年―槍とともに歩んできた、穂苅家三代にわたる雲上のドラマ。
目次
第1章 穂苅三代
第2章 槍への道
第3章 山荘の年輪
第4章 穂先をめぐって
第5章 思い出の人々
第6章 山小屋の舞台裏
第7章 引き継ぐ播隆研究
第8章 写真と穂苅家
著者等紹介
菊地俊朗[キクチトシロウ]
1935年東京生まれ。早稲田大学卒業後信濃毎日新聞社入社。64年ヒマラヤ遠征報道で日本新聞協会賞受賞。常務・松本本社代表を最後に退職。現在山岳ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
12
穂苅家ほか様々な人々が長きに渡る苦労と工夫を重ねて現代に至る槍ヶ岳山荘等の山小屋経営と槍登山の変遷史。先鞭をつけた三寿雄氏をはじめその開拓・起業家精神とバイタリティに感服する。槍を取り巻く山荘群は公営ではなく、地場の篤志・資産家が私費を投じ、競争原理の働く中で経営してきたが故の独自の発展の仕方をしたと感じる。槍開山の立役者で、岳人としての事績も巨大な播隆上人に関する調査と普及の苦労への紙幅も大きく、意義深い。新田次郎氏とその著作に関する話は、いわゆるノンフィクション「小説」の読み方を再考させられる。2015/11/01
Tadashi Totsuka
4
山の好きなひとにお勧めの一冊です。槍ヶ岳山荘他山小屋5つとスキー小屋1つを経営している槍ヶ岳山荘クループ、穂刈家三代のお話です。初代穂刈三寿雄さんの播隆研究から始まり、二代目の貞雄さんへと引き継がれて、槍ヶ岳開山についての新しい発見などもあり面白かったです。2015/02/16
里山輪太郎
2
こんにちのように気軽に(と、言うと語弊があるが)3,000m級の山に登れ、快適な山小屋で安眠できるのは先駆者の努力のお陰だとしみじみ感じた❗雪崩に小屋を流されたり、冬期の登山者の火の不始末で小屋を焼かれたり、逆境の中、良く耐え抜いてくれました❗感謝です(^_^)2017/04/13
100名山
2
本書は槍ヶ岳山荘グループ95周年を記念して三代目穂苅康治氏が 山岳ジャーナリスト菊池敏郎氏に依頼して出版された本です。 穂苅家三代が連綿と続ける山岳写真と播隆上人探求、そして営利山小屋黎明期から現在の大規模経営までがまとめられています。 しかし読み進めれば、面白く、山屋が書いた文章とはひと味違う、視点がありました。 また、新田次郎の「槍ヶ岳開山」が余りにも史実と違うという記述も、興味深く読めました。 希少な写真や図も80点近くあり、理解を助けてくれます。2012/07/01
ヨシ
1
山小屋の歴史がこんなに古いものだったとは、それにも増して、江戸時代に槍ヶ岳に鎖をつけていたとは、驚き2024/10/18