出版社内容情報
藤井貞和[フジイサダカズ]
著・文・その他
内容説明
いま詩はどのように書かれるのか。うたと物語のやわらかな触手を自在にのばし、現代の難問に日本語の瀬戸際で応答を試みる。
目次
火 三篇
金メダルをメキシコ湾の湖へ沈める
叙事詩と民族との関係
神の誘い子(物語の始まり)
糸の遊び
錫の歌
桃原さんの石
あなたは―むやみやたらに咲き続く
学校、後ろ戸、短歌
無季
みどりの石
天の紙と風の筆―懐風藻
文法の夢
小声の語法
南残の人々
京都
猫語〔にゃ〕
記号論
汚職
徳
理由(なぜ詩を書くのかと問われて)
物語するバクーニン
ものがたり〈霊語り〉
蔓の詩篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AnemoniaAnemoni
1
2022年度読売文学賞詩歌俳句賞を受賞した詩集。作者は日本古代文学、中古文学を専門としている折口信夫の系譜に連なる研究者。 ほかの詩集と比べるのはまことに無粋なんだけど、旅行先読み返しながらオレの大好きな朝吹亮二『opus』を想起することが何度かあった。『opus』が、作者の専門であった西洋文学を射影点として日本古典文学の詩的言語世界へ眼差しを差し向ける試みであったなら、こちらはその逆、つまり日本の古典文学に根差した詩的言語を(ヨーロッパを含めた)〈文芸世界〉へむけて積極的に拓こうとする意志を感じる。2023/08/26
→0!P!
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あいつのさいごの小声を聴きたいから、小声の拡声機で聴く。 2023/08/30