内容説明
21世紀の死の状況を尋ねて、詩人は遍歴の旅に出る 人間の生存の行き着く先を都市文化の行き着く先に見出しその根源を問いただす、激越なる散文詩10篇。
目次
死者に
二本の樹
恐怖について
苦痛
考える人
性の考証
ゴキブリ言説
最後の人
小さなウサギ
オタマジャクシ論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Cell 44
1
ヒエロニムス・ボスが描く地獄に、自らを突き刺しているハープの弦を弾く男がいるが、そのような分裂したグロテスク、また、そこから血のように滲むユーモアがところどころ見える。2014/03/08
Bevel
0
ああ、とか、おお、とかいいながら自然の中に神を見出して打ち震えるやつとか、ノスタルジーとか、愛は言葉では言えないみたいことを繰り返すやつがうざいと感じてた中で、資本とウサギ、淫乱と都市という言葉が、ぐっと自分の中に響いた。書いた人は経営者で、その肩書を彼の書く詩が引裂くそのやり方は半端ないものであった。合理的とか資本主義からの逃避や反抗を押し付ける言葉は、素朴だなって思う。こっちの方が強いって思う。2010/03/19