目次
第1章 フリーマン理論とは何か(なぜフリーマン理論でなければならないのか?;フリーマン理論の哲学的基盤 ほか)
第2章 仏教誕生以前の古代インド思想(ヴェーダの宇宙生成論;ブラーフマナの思考形式 ほか)
第3章 仏教教義とフリーマン理論(仏教誕生の社会的背景;仏教思想 ほか)
第4章 唯識教義と情動神経科学(動物とヒトにおける情動操作システム;ヒトにおける基本的情動システム ほか)
第5章 現代における仏教思想の意義(理性と情動の関係;「人間の本性」を巡る現代思想と仏教 ほか)
著者等紹介
浅野孝雄[アサノタカオ]
1943年北海道生まれ。1968年東京大学医学部卒業後、東大病院脳神経外科入局。国内関連病院および米国コネチカット州ハートフォード病院、スイス・チューリヒ州立病院などを経て、1973年東大病院脳神経外科助手、1978年同講師。1986年埼玉医科大学総合医療センター脳神経外科教授。現在、埼玉医科大学名誉教授、小川赤十字病院名誉院長。脳血管障害の病態生理学と治療法の研究により、東京都医師会医学賞、美原賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
6
W・フリーマンは複雑系科学を用いて脳の辺縁系できる渦巻き状の「大域的アトラクター」を心の実体と捉え、このアタラクターが働かない状態を無意識とし、作動後0.5秒でアトラクターが出来、さらに1.4秒後できる渦の変わり目の凪のような瞬間に意識が生じるとした。彼の著書『脳はいかにして心を創るのか』の訳者で脳神経外科医の著者は、このアトラクターが循環する辺縁系に唯識の五蘊(色=知覚領、受=脳幹と視床下部、想=頭頂葉、行=運動領、識=左の前頭葉)との類似を見、複雑系と仏教を相関させつつ瞑想と脱学習の医学的意義を語る。2021/05/08
マウンテンゴリラ
3
最先端の脳科学の理論と仏教、特に日本人の仏教観には馴染みの薄い唯識の理論の解説と比較による両者の類似性についての検証。大雑把にまとめるとこの様な内容ではなかったかと思われる。しかし、大雑把な記述しかできないほど、細部については私にとって難解な書物であったというのが、正直な感想であろうか。科学というものから裏付けを得なければ、信じるにも値しないほど宗教の力が低下した現代の反映なのか。それとも、宗教と科学との創造的融和、相互発展といった、新たな展開の象徴なのか。→(2)2017/04/28
takao
1
ふむ2018/01/23