目次
科学とは何か
科学はどのようにして生まれたか
科学と出会った日本―明治維新前後
何のために、どこまで西洋化するのか
挑むための受容
木村駿吉の経験(不敬事件まで;アメリカ留学へ;アメリカ留学から第二高等学校教授時代まで;無線電信機の開発とその後)
明治の脚気―科学技術がもたらした危機
盗電の法理、穂積陳重の逡巡
北里柴三郎と山極勝三郎―医学研究の躍進と国際評価
第一次大戦後の科学界―ドイツ人排斥と日本の科学者
アインシュタインがやってきた
加藤元一の神経伝導不滅衰説
量子力学が意味したもの(アメリカの場合;日本の場合)
第二次大戦下の物理学者(アメリカでの一断面;日本の動向)
科学は危機をどう生き延びたか
著者等紹介
岡本拓司[オカモトタクジ]
1989年東京大学理学部物理学科卒業。1994年東京大学大学院理学系研究科科学史・科学基礎論専攻単位取得退学。新潟大学人文学部助手。1997年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系講師。2005年同助教授。現在、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系准教授、博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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無重力蜜柑
5
明治維新〜敗戦までの日本における科学とその担い手たちの動向を、社会や国家との関わりから記述した本。「技術の基盤としての科学」ではなく基礎物理学などの純粋科学や、医学などの応用科学にしても「学問」としての側面に力点を置いているのが特徴(これは著者が東大の理物出身であるからだろう)。明治維新の頃から実証性を特徴とする西洋科学の威力は軍事力と共に理解されたが、日本の科学者たちはそうした応用に結びつく側面だけでなく「白人国家との知的競争」として、日本の国際的地位を向上させるために科学研究に邁進した。2021/08/10
けんたろう
1
近代における産業の発展や経済成長を、技術の生み手である科学者はどんな目で見ていたか? 長い目で見ると、時に科学は人類の幸福ではなく、不幸に寄与することもある。それはなぜか? 私たちが当たり前に用いる「科学」「技術」と社会との結び付き方を考えるきっかけになる一冊。2016/09/23
ブリッジ
0
科学史の教科書2014/11/25