出版社内容情報
野村克也[ノムラカツヤ]
著・文・その他
内容説明
百戦錬磨の名捕手、名監督として六〇〇〇試合出場の世界記録となる体験的野球哲学を、七七年にわたるプロ野球史と同じ歩みをたどった著者が、万感の思いを込めて物語る現代リーダー考。
目次
第1章 名将は不要か
第2章 組織はリーダーの力量以上に絶対、伸びない
第3章 中心なき組織は機能しない
第4章 知略と知略の心理戦
第5章 捕手革命
第6章 監督は「気づかせ屋」である
著者等紹介
野村克也[ノムラカツヤ]
1935年京都府竹野郡網野町(現・京丹後市)生まれ。京都府立峰山高校卒業後、南海ホークスにテスト生として入団。入団4年目に本塁打王獲得。1965年戦後初の三冠王に輝く。首位打者1回、本塁打王9回、打点王7回、MVP5回、ベストナイン19回、ゴールデングラブ賞1回。1970年南海ホークス選手兼任監督に就任。1973年パ・リーグ制覇。1980年の現役引退まで「生涯一捕手」を貫く。通算試合出場3017試合(歴代1位)、通算安打2901、通算本塁打657本(歴代2位)、通算打点1988。現役引退後、「野村スコープ」など独自の配球分析を披露。1989年野球殿堂。1990年ヤクルトスワローズ監督就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
24
スワローズ優勝記念で読了。高津現監督をクローザーにするという起用法など、選手の適正を見抜くのも監督の力量だとする。元々、高津はストレートが速くはなく、変化球も際立つものはなかった。しかし、物事に動じない度胸と冷静さが長所であり、サイドスローであるからライオンズの潮崎のようなシンカーを覚えよ、と助言したところ、才能が開花したという。ただ、何というか、性格の癖が文章に表れている。スワローズ黄金時代を築き上げた功績は偉大だが、若松の優勝も自分の指導のおかげだとするのは無理筋。面白いけどね。2022/10/12
ぺぱごじら
19
『野球大好きおじいちゃんの、昔はワシ凄かった話』(笑)。機会がもしあったとしてもお近づきにはなりたくないが、この方の話は面白い。とことんまで野球を科学的に解析して、それでもなお『人間の情』という不可解なものを徹底的に活用するしぶとさがいい。時折例として挙げる話がことごとく昔の自慢話なのと、選手たちへの人物評価基準が『ワシのことを尊敬しているか(それはインタビューや態度で示されなければならない)』にある点あたりが、何となく可愛らしいのである(笑)。『ナマの人間』を堪能する一冊。2013-1112013/08/19
Kaz
18
ほとんどが今までの著作の焼き直し。でも読んでしまうところが恐ろしい。ノムさんの凄さはここにもある。2017/01/29
ようはん
16
今年はノムさん死後の最初のシーズンであるけど、この本の内容を踏まえてノムさんチルドレン的な立ち位置の指導者や選手の現状を考えるとうーん…と思う事が多い。ヤクルトはかつての相馬社長みたいな人は居ないし、阪神は本書で指摘していた阪神特有の問題点が今シーズンは完全に露呈している。ある夕刊のスクープが事実だったら矢野は監督の器とは言えない。あの世という物があったらノムさん相当ボヤきまくりだろうな…2020/10/12
anken99
12
ノムさん本は多々読んできたが、同じことの繰り返しであることも多く、少し食傷気味になっていたのだが・・・。本書については、久しぶりに面白く読めた。弱者ならではの兵法、あるいは「一流が一流を育てる」といった記載は、見るべきものがある。稲尾との良きライバル関係の話は、読んでいてビリビリ来るものがありました。それと、監督はもういいが、GMは一度やってみたいという発言は、当方は初めて聞いた一言。実現したら、非常に楽しみである。2015/06/27