出版社内容情報
熊代亨[クマシロトオル]
著・文・その他
内容説明
承認欲求、SNS、恋愛・結婚、親子関係、所属欲求、学校・会社、地方・東京、老い。「自分」に満足できないのは、なぜ?アイデンティティに悩める私たちの人生、その傾向と対策。
目次
第1章 承認されると「何者か」になれる?
第2章 つながりが「何者か」にしてくれる?
第3章 アイデンティティと何者問題
第4章 恋愛・結婚と何者問題
第5章 子ども時代の何者問題
第6章 大人になってからの何者問題
補論 何者問題への処方箋
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shikashika555
55
アイデンティティとは、自分を構成する要素である。 そしてその要素は、多い方が良い。 何者かになりたい問題は、承認と所属の問題なのか。 「大人になってからの何者問題」 「何者問題への処方箋」 は、思い当たることや膝を打つことも多かった。 何かを追うあまりに 持てるものを軽視したり見過ごしたりしないこと、自分の構成要素をきちんと自覚することは 大人の教養なのかと思えた。 2021/10/01
assam2005
23
このタイトルから朝井リョウさんの「何者」が思い浮かぶ。就活生を筆頭に頭を抱える「何者問題」。それこそ一体何者なのか。承認されたい、繋がりたい、から始まり、恋愛と結婚、また死別により断ち切られるアイデンティティ。「使い捨て」とも言える交換可能なものからは得られないもの。特別なものばかりで構成されることに囚われるのではなく、自分の構成要素がどこにでもある普遍的なものであっても良いじゃないか、と思えるようになれば、もっと楽に生きられるのになぁ。2021/08/09
はじめさん
22
何かになりたがる、ワナビー。昔っから「自分探し」とか色々あるわな。就活では最適化されたパターン、企業が求める人物像を演じることで面接パスして入社するも「こんなのはワシのしたかったことではない…辞めたろ!」…朝井リョウの『何者』も引き合いにだし、SNSでの承認欲求や、自身が属するコミュニティのことなど。恋愛や結婚についてなんかは、世間体擬態で結婚したいと思っているワシにけっこう刺さったかな。/ ドラクエ7、「人は誰かになれる」ーーんなことより、職業選択の自由と就職斡旋してくれる転職システムだろうよ。3か6。2021/08/09
テツ
18
「自分とは何者なのか」SNSで容易に他者の生き方を覗いてしまえるようになった昨今では、アイデンティティの確立のためには、他者からの承認、他者からの羨望という要素が必要不可欠であるという呪いがみんなにかけられてしまっているのではないか。群れを形成して生きるぼくらからそうした部分を完全に取り除くことは不可能ではあるのだけれど、行き過ぎた承認欲求は身を滅ぼすし不孝になるよな。自分だけのオリジナルの頂を設定すること。それを形成する過程でなるべく他者を介在させないこと。自分自身に至るための道程は険しい。2023/05/29
MIHOLO
16
世間一般で言われる、「何者」はやっぱり職業が多いかもしれないけど本を読んで、職業だけでなく、その人を構成する要素で「何者」かは作られていくと書いてあったように思う。とすれば「会社員」となったとしても全く同じ要素の人間はいないのと一緒で、全く同じ「会社員」はいないのだから人と同じ「何者」かではない。そう思えば、人と比べずに自分の思う「何者」かになっていくのでは?そもそも、職業や肩書きだけを「何者」と思うなんて単純なものでもないし。でも悩んでいる時は、そこに気づきにくいんだよね。2021/11/30