少年は残酷な弓を射る〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784781607825
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報



ライオネル・シュライヴァー[ライオネルシュライヴァー]
著・文・その他

光野多惠子[ミツノタエコ]
翻訳

真喜志順子[マキシヨリコ]
翻訳

内容説明

キャリアウーマンのエヴァは37歳で息子ケヴィンを授かった。手放しで喜ぶ夫に対し、なぜかわが子に愛情を感じられないエヴァ。その複雑な胸中を見透かすかのように、ケヴィンは執拗な反抗を操り返す。父親には子供らしい無邪気さを振りまく一方、母親にだけ見せる狡猾な微笑、多発する謎の事件…そんな息子に“邪悪”の萌芽を見てとるが、エヴァの必死の警告に誰も耳を貸さない。やがて美しい少年に成長したケヴィンは、16歳を迎える3日前、全米を震撼させる事件を起こす―。100万人が戦慄した傑作エモーショナル・サスペンス。女性作家の最高峰・英オレンジ賞受賞作。

著者等紹介

シュライヴァー,ライオネル[シュライヴァー,ライオネル][Shriver,Lionel]
1957年、米国ノース・カロライナ州に生まれる。「マーガレット・アン」と名付けられるも、子供の頃から男勝りだったシュライヴァーは、15歳の時、自らの希望で「ライオネル」と改名。コロンビア大学卒業後は、ナイロビ(ケニア)、バンコク(タイ)、ベルファスト(アイルランド)などに移り住みながら、小説家・ジャーナリストとして活躍してきた。日本語翻訳版の刊行は2005年英オレンジ賞を受賞した『少年は残酷な弓を射る』が初となる。’07年に発表した『The Post‐Birthday World』は、’08年に米「エンタテインメント・ウィークリー」誌、米「タイム」誌の各ベスト・ブック・オブ・ザ・イヤーに選ばれた

光野多惠子[ミツノタエコ]
津田塾大学卒

真喜志順子[マキシヨリコ]
上智大学卒

堤理華[ツツミリカ]
金沢医科大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

366
まずは、この凄まじいばかりのリアリティに圧倒される。物語は、一貫してエヴァからフランクリンに宛てた書簡の形式をとっているが、我々読者はそのエヴァの切々たる語りを聞くことになる。したがって、読者は必然的にエヴァに感情移入しながら読み進めることになり、その辛い経験を共有することになる。語りは編年体で語られるのではなく、「あの日」を軸にケヴィンの誕生前からその後の日々、そしてまた時には面会時へと揺れ動く。そうした感情の揺曳もまた実に見事に読者を小説世界に引き込んでゆく。なんともやりきれない読書体験である。2016/11/10

遥かなる想い

209
エヴァが夫フランクリンに 送る手紙を通して語る物語… 息子ケヴィンは一体何を したのか、母と息子に 何があったのか… エヴァだけがひたすら 語り続ける独特の文体が、そして全編に立ち込める 闇の雰囲気が正直怖い。 上巻は母エヴァの視点が 子宮感覚のように読者を 物語に誘う…夫のコピーを とるかのように妊娠・出産をする… 母だけが語り続けるこの物語は、 どこに向かおうとしているのか。 子供を巡る夫婦の戸惑いと ほの暗い予感。 少年が射た「残酷な矢」は 何だったのか… 暗い予感を感じながら、下巻に。2015/12/29

まふ

110
アメリカでよく発生する少年の銃器による大量殺人事件をテーマに、当事者の少年を生み、育てた母親のその夫に宛てた書簡、の形をとった物語。どうやら、この少年は生まれ落ちたときから「悪魔的」であり、妊娠した時から出産、幼児の各段階で妻たる語り手、エヴァ・カチャトリアンの神経症的な意識の動き、それを理解しようとしない鈍感な夫フランクリンのとの対比で次第に事態が怪しくなっていくさまが恐ろしげだ。犯行後の法廷での母親としての事情開陳場面なども描かれて、舞台は出来上がりつつある、というところで下巻へ。 G1000作品。2024/10/28

nakanaka

89
かなり訳ありな家族の話ですが、子育て真っ最中の私としては他人事とも思えない気もします。子育てってのは大変だなぁ!と改めて実感するとともに親子や夫婦の関係についても考えさせられます。何故夫に対するメッセージ調の文章なのか(何故離れ離れなのか)、ケヴィンは何故事件を起こしてしまったのか表紙は何を意味するのか等、上巻を読んだだけでは分からないことが沢山あるので下巻を読むのが楽しみです。2016/11/18

扉のこちら側

84
2016年978冊め。【232-1/G1000】ストーリーはよく練られている。ただケヴィンの描写がいかにもたくさん症例や文献を調べてあれもこれも詰め込んでみましたという、作り込んだ感が透けて見えて入り込めない。一つひとつのエピソード的には症例としてはよくあるので逆にここにリアリティを感じるという人もいるのかもしれない。どちらかというと私は語り手であるエヴァの妄想であるという可能性も捨てずに読んでいる。下巻へ。2016/11/09

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