内容説明
広島の川べりのまち。食肉・製靴などを生業としてきたこの地域は、なぜ差別されたのか。被爆の苦しみと差別への怒りに直面して、いかに困難を乗りこえたか。人間の悲しみと苦しみに向きあい、ひたむきに歩んだ姿。被爆者として苛酷な日々に耐えた群像。地域内外の60数人からその軌跡と真情を聞き取った。「橋のない川」に橋を架けよう。まちづくり、教育・子育て活動、住民本位の医療機関などを担った感動の記録。
目次
第1章 川に挟まれたひょうたん状の町
第2章 貧しさと差別からの解放を求めて―中西ハルエと仲間たち
第3章 野戦病院のような診療所
第4章 部落が変わりゆく日々に
第5章 被爆者として生きて
第6章 差別を乗り越え、地域を変えるために―人間の苦しみに寄りそって
著者等紹介
大塚茂樹[オオツカシゲキ]
ノンフィクション作家。1957年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。専攻=日本現代史。主な職歴は、岩波書店に29年間勤務し、岩波現代文庫、単行本、『世界』などの編集活動に従事。2014年定年の四年前に退職し現職。1976年に原水爆禁止運動で被爆者に出会ったのをきっかけに、反核運動や被爆者支援活動にも参加。後に被爆体験の意味を若い世代に問いかける著作を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mao
5
貧困・部落・原爆・在日韓国人・・と複雑に多重差別を受けてきた人々の生き様。 マジョリティーの側に居て差別に気付かないことの恥ずかしさ。2016/12/27
ミネチュ
1
原爆の被害(者)に関する本はこれまでにも何冊か読んだことがありますが、部落(被差別部落)に焦点を当てた本は読んだことがなく、興味を持ち読んでみました。 感想としては、正直なところ退屈極まりない本でした。 知らない街の知らない人達の話なので・・・、最初の方こそ、「なるほど」「そういうことがあったのか」など思うところもあるんですが、特に後半は、個人に焦点を当てた書き方になっていることもあり、完全に退屈してしまいました。途中で読むのをやめようかと思いながら頑張って最後まで読んだという感じ。2017/07/01
蝮
0
一世代前のキーパーソンだけでなく、歴史に取り上げられない人々を丹念にインタビューし、町の昭和史について丁寧に掘り下げていた。2021/10/01