内容説明
ここにこうして生きていていいの?子どもだけではなく、大人だって答えが欲しい。『ゲド戦記』の翻訳者が語る子どもの本の力、私たちの生き方。
目次
橋をかける女たち
“物語”と私たちの間に(“物語”の持つ力;自分の小ささを知るということ;翻訳の不思議)
子どもの本とは何か(子どもの本とは何か;翻訳のおもしろさ・むずかしさ―「ゲド戦記」を軸に)
著者等紹介
清水眞砂子[シミズマサコ]
1941年、北朝鮮生まれ。青山学院女子短期大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yukicks
14
生きることに意味があるのかどうかわからないから問うのが「文学(小説)」で生きることに意味があることが前提なのが「児童文学(物語)」2013/07/06
ほっそ
3
児童文学が好きな方には、ぜひお勧めしたいし、「ゲド戦記」を読んだ方もぜひ。翻訳の過程でいろいろ悩んだことや、話の内容についても載っていました。 「ゲド戦記」読むぞ!2014/10/06
あきら
2
『ゲド戦記』の翻訳者である著者の講演録。 児童文学翻訳者であり、 児童文学評論家の著者の、 それぞれにまつわる考え方などが、書かれています。 大学の先生でもある著者が、 学生たちとの生活の中で体験し、考えたことも書かれていて、 著者の人柄がうかがえる。 基本的には、 児童文学論と、 翻訳論と、 それぞれ講演の内容でテーマが違っているが、 流れている思想は一貫していて、 “常識”や“メジャー志向”に流されない、 厳しさと優しさを持っている。 興味としておもしろかったのは翻訳2009/06/22
joyjoy
1
著者の講演録。「子どもの文学の本当にいいものは、なにもたいそうな理念を掲げているものではなくて、日常の小さなことを丁寧に見つめて、ひろい上げているものなんですね」。「本は水泳に近いかもしれない。泳げなくても人は生きていける。でも、泳げた方が楽しいし、泳げた方が救われるときもある。でも一方、泳げたがために死んでしまうこともある」。「物語を通して多様な人間に出会い、人間のすばらしさを知り、世界に広さを知ることで、自分が限りなく小さな存在だということが分かってくる。でも小ささを知ることが、喜びになる」。2020/02/06
rachel
0
「ゲド戦記」訳者による講演録。絶版なのが惜しまれる良書。図書館で。2019/03/05