内容説明
ハイデガー、ニーチェ、宮沢賢治を導きに、真の〈生の肯定〉への活路を開く。
目次
第1章 現代日本における「生の否定」(安楽死・自殺・拡大自殺―「生の否定」を表わす諸現象;優生思想・反出生主義―「生の否定」を表わす思潮)
第2章 「生の否定」をもたらすもの―社会的背景の考察(現代社会特有の苦しみの高まり―「選別される対象」としての自己;苦しみに向き合う力の低下―現代社会における「天国」への希求;「役に立つもの」しか存在してはならない―ハイデガー技術論からの考察)
第3章 〈生の肯定〉を迎え入れる―ニーチェ哲学を手がかりに(「生命の神聖性」にも「人権」にも依拠しない〈生の肯定〉―優生思想への批判を中心に;「幸福」に依拠しない〈生の肯定〉―反出生主義への批判を中心に)
第4章 苦しみ多き地上の生への帰り道を探して―「銀河鉄道の夜」を手がかりに(恵まれない人生であるにもかかわらず、生を肯定できるのか?;世界の存在の不思議―「そらの孔」からの考察;ひとり行くこと=共に行くこと―死別・離別をめぐって;天と地の連なり―ほんとうの世界を、大股にまっすぐに歩いていく)
終章 天国は無く、答えは風に吹かれている
著者等紹介
後藤雄太[ゴトウユウタ]
1972年 岐阜県生まれ。現在 広島大学准教授。哲学・倫理学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ハナさん*
1
2025年12月26日初版第1刷。市図。JSPS科研費23K01931の助成を受けた研究成果の一部。現代の優生思想・反出生主義的風潮に反論を行い、ニーチェ哲学を手がかりに〈生の肯定〉の可能性を探っている。その際、優生思想・反出生主義への反論によく用いられる「生命の神聖性」「人権」などの概念は使用せず、それら概念をも批判的に考察することによって、生の肯定につなげようとしている。最後に『銀河鉄道の夜』の読解によって、苦しみ多きこの地上の生への帰還を語る。反出生主義に陥ってしまっている人を説得できるかは、微妙。2026/08/30
474m4
0
この本を手に取ったのは哲学の棚ににささっていたのと、帯に宮沢賢治の名があったことです。プレイしてもいないのに「素晴らしき日々」の影響を受けて哲学の本など読み始めたから、そこに宮沢賢治を絡めた本書の存在は天啓というか、こんなうまい話があるのかと(もしかして、実際に影響を受けたのだろうか?)。そうしたら、先に読んだウィトゲンシュタインの哲学入門書に書かれていた事と共通するところがある。土に触れる生き方を善しとした両者の導き出した生きるための哲学というのが、実際に近似形を示しているのは興味深いことだと思います。
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