内容説明
かつてバブル時代の終わりに『清貧の思想』という本がベストセラーとなった。その中で紹介された文人が、歌人・橘曙覧である。大店の家に生まれ、自分に向かない商いの道を捨てて、福井・足羽山の山中に立てた「黄金宮(こがねのや)」というあばら家で歌を詠んだ。「黄金宮」とはむろん、「身は貧窮のなかにあっても心は黄金のように輝いている」という意味である。そして2011年現在。われわれは東日本大震災の後にあってもなお、物欲やカネを捨てきれずにいる。数えきれない同胞が命を失い、あるいは困窮したまま、政府は何一つまごころのある手当をしない。そんな時代に、われわれは自らの「生」を何と心得るべきなのか。手持ちのわずかな財産を守り、老後の安心を得られれば「人生を生きた」ことになるのか。橘曙覧の時代に、そして『清貧の思想』でも、多くの日本人がそのことを考えたはずである。ならば今もう一度考えてみよう。本書はそんな本である。
目次
『独楽吟』
序章 橘曙覧とはどんな人物か?(生きる喜びを歌った人 天才・子規が絶賛する ほか)
1章 「たのしみ」の思想(啄木の歌との違い 「たのしみ」は心ひとつの置きどころ ほか)
2章 「至誠」の精神(「嘘いうな、物ほしがるな、体だわるな」 儒教の最高の徳「至誠」とは? ほか)
3章 「分相応」の人生観(好きな事をして暮らすべし 仕事はすべてに優先して善なのか? ほか)
4章 「人生の達人」の極意(魂を磨く、品格を高める 山高きが故に尊からず ほか)
5章 「幸福」の条件(邯鄲の夢「人生とはこんなものだ」 ある総理大臣の悲劇 ほか)
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