倫理学という構え―応用倫理学原論

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  • サイズ B6判/ページ数 314p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784779506772
  • NDC分類 150
  • Cコード C0012

内容説明

「倫理学とは何か」という問いを主軸として、その延長線上で「倫理とは何か」についても明らかにする。倫理学の実践論的転回。初学者にも専門家にも読んでもらえる「入門書」でもあり、「研究書」でもあり、かつ「倫理学とは何か」を探究した“エッセイ”。

目次

第1章 誰が何のために倫理学をするのか(倫理学をするのはどんな人か;実践としての倫理と学問としての倫理学;実践としての倫理と学問として倫理学をすること)
第2章 何についてどうやって倫理学をするのか(現代社会における倫理問題群;三大倫理学理論;倫理学の三つの方法論(1)原則主義論争
倫理学の方法論(2)決議論と行為者中心主義)
第3章 倫理学の境界はどこにあるのか(義憤と心意気で倫理を語れるか;大衆はブタか;常識と直感は当てになるか;結局、倫理学の対象である倫理とはどんなものなのか)
第4章 誰のために倫理学をするのか(倫理学者は誰に向かって語るのか;事柄の政治性とどう向き合うか;方法としてのエッセイは可能か)
第5章 あなたが倫理学をつくる(思慮ある傍観者になる;異なる層の間を何度も往復する;応用倫理学を再起動させる)

著者等紹介

奥田太郎[オクダタロウ]
1973年東京都に生まれる。その後、奈良県で育つ。2002年京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学。博士(文学)。現在、南山大学社会倫理研究所准教授。(専攻/倫理学・応用倫理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たろーたん

1
倫理学の本を開くと、功利主義、義務論、徳理論と倫理学理論を紹介され、脳死、死刑、動物実験など様々な難しい事例が紹介されるも答えは出されず、「考えましょう」で終わる。この本は、そんな倫理学本とは一線を画し、倫理学を倫理学的に見てみようとする。「そもそも倫理学ってどうなの?」と批判をする本なわけだ。そのため、取り上げられるのは倫理学理論や事例ではない。倫理学そのものであり、倫理学に携わっている人々だ。そして、そもそも彼らはどんな人で、何をしようとしているのか。(続)2023/09/17

1
倫理学は扱うテーマが実践と絡む哲学だ。抽象的で複雑な議論に沈み込む一方で、現実世界の問題との接点も持つ。故に応用倫理という分野が存在するが、その現場では往々にして専門性と現実がすれ違い、倫理学者は居心地の悪い疑問に晒される。倫理学は現実世界での問題解決に資するのか?そうならば、どんな形で?そうでないなら、倫理学の正体と意義は?こうして倫理学の担い手・対象・方法・名宛人etcについて自己言及的な問いが開かれる。応用倫理学から生まれたこれらの問いは倫理学の重要な一部であり、むしろ不可欠だと主張するのが本書だ。2015/02/06

ソーシャ

1
倫理学とは何かについて書かれた、著者曰く『再入門』するための書。倫理学が果たす役割についても考察されていて、倫理学について考えるうえでかなりいい本です。ただ、結構難しい論争も扱われているので、全くの初学者には難しいかもしれませんね。2014/02/09

Schuhschnabel

0
倫理学的に考えることが習慣化してしまった者が,その前段階にタイムスリップするために読む本。既存の倫理学に疑問を投げかけるという点では,永井均『倫理とは何か』に近いものを感じる。特に,異なる応用倫理学の分野を筆者なりに一連の流れとしてまとめられた箇所が,哲学的な立場の違いではなく「困りごと」こそが応用倫理学の出発点である,という点に気づかせてくれたので良かった。2016/10/16

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