出版社内容情報
人気シリーズ「乙女の本棚」第44弾は、文豪・芥川龍之介×イラストレーター・Sakizoのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
内容説明
「私は花火のことを考えていたのです。我々の生のような花火のことを」鹿鳴館で行われる舞踏会に初めて参加した明子。そこで彼女は、あるフランスの海軍将校に声をかけられる。芥川龍之介の名作が、ロマンティックな世界観や装飾をあしらったデザインが好評を博すイラストレーター・Sakizoによって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第44弾が登場。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
著者等紹介
芥川龍之介[アクタガワリュウノスケ]
明治25年(1892年)生まれ。東大英文科卒。大学在学中に菊池寛らと第三次『新思潮』を創刊、第四次『新思潮』に「鼻」を発表し夏目漱石にその才能を認められる。代表作に「羅生門」、「蜘蛛の糸」など。死後、菊池寛により芥川賞が設けられた
Sakizo[SAKIZO]
イラストレーター・水彩画家。幻想的かつロマンティックな作風で、フリルやレースなどの装飾をあしらったドレスのデザインが海外からも注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
166
明治19年11月3日の夜、鹿鳴館での舞踏会デビュー。フランスの海軍将校と、美しく青きダニウブのヴァルスを踊る17歳の令嬢明子。開花の日本の少女の美を遺憾なくそなえる。その若さと美しさは、花火のように儚いのか。Sakizoさんが描く華麗なドレス姿が美しくも物悲しい。2025/04/26
寂しがり屋の狼さん
55
【乙女の本棚】シリーズ第43冊目(◕ᴗ◕✿)著者は同シリーズではお馴染みの『芥川龍之介』。挿絵は、幻想的かつロマンティックな作風で、フリルやレースなどの装飾をあしらったドレスのデザインが海外からも注目を集める『Sakizo』さん。華やかな舞踏会での一夜を魅力的に描きあげています。2025/02/15
ちえ
40
明治19年11月3日、鹿鳴館で開かれた舞踏会。華やかな舞台が作家の筆と添えられた絵からよみがえる。読了後、ピエル・ロティについて確認。関連する芥川の作品も読んでみたい。「乙女の本棚」2025/05/05
ぐうぐう
28
面白い。鹿鳴館での舞踏会の出来事が描かれているのだが、それが回想であることが第二章で明かされる。凡庸な小説家であれば、現代から書き始め、そこから回想へと入れ子構造にしてしまうところを芥川はそうしないのだ。そこがいい(とはいえ、注意深く読めば、これが過去のエピソードであることを芥川は早々に明かしているのだが)。ロマンチックな展開、そして終盤での花火の美しさ、そして儚さ、それをSakizoは、古風でありながらも華やかなタッチで視覚化している。(つづく)2025/01/21
takakomama
15
明子は17歳で鹿鳴館の舞踏会にデビューした夜、フランスの海軍将校と踊ったことを30年以上経った今でも、菊の花を見るたびに思い出します。煌びやかな舞踏会を描いたイラストがとっても素敵です。2025/02/21