出版社内容情報
1990年代半ば、英国オックスフォード大学へユダヤ文学研究のため留学した著者の記録。40代目前の「中年男」として異国の地へ学びに行く不安と期待。そして、行く先々で出会うユダヤ人とユダヤにかかわる人びととの交流を描く。
誰の人生にも岐路というものがある。私の場合は、イディッシュ語作家
アイザック・バシェヴィス・シンガーの作品との出会いがそれであった。
……イディッシュ文学研究が予想もしなかった方向へと私を導いた。
これも私のバシェールト(イディッシュ語で「運命」の意)であろう。
人生とは分水嶺に落ちた木の葉のようなのかもしれない。
イディッシュ語はイディッシュ語を知る前とは全く異なる世界へと私を導き、
一時は死語になると危ぶまれた言語が、私の人生にパノラマのような視野を
与えてくれたのである。これから記すオックスフォード大学での
ユダヤ学研究こそ私の人生の分水嶺であった。(「まえがき」より)
内容説明
40代目前の「中年男」として異国の地へ学びに行く不安と期待。そして、出会うユダヤ人と、ユダヤをとりかこむ人びととの交流の記録
目次
中年男のオックスフォード大学への挑戦
オックスフォード大学の伝統は図書館から
「ブルーデルシャフト」
教育者としての哲学―ドヴィド・カァツ博士
「ラ・ハイム」の破戒僧
母語喪失の危機
「最低男」
イスラエルの人々
「過越しの祭」
ホロコーストの影
イスラエルへの旅立ち
心優しいユダヤ作家
黄金のエルサレム
運命的な出会い
著者等紹介
広瀬佳司[ヒロセヨシジ]
栃木県生まれ。関西大学客員教授(文学博士)、ノートルダム清心女子大学名誉教授。1991年「『雪片曲線』への冒険」で第25回・関西文学賞受賞。1998年、第一回日本マラマッド協会賞学術部門受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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