内容説明
鎖国・日本の扉を、威嚇外交でこじ開けたのは、1853年にやってきたペリー提督率いる米国の艦隊だった。その後、欧米列強は次々に日本と和親条約・修好条約を締結。彼らが一様に驚いたのは日本には常備軍が存在しないということだった。そのため、まずは日仏交流も国防から開始。当初の日仏関係は、彼我の落差が大きすぎ、日本側が一方的に恩恵を蒙るものだった。
目次
プロローグ 日仏交流のはじまり
第1章 造船技術ヴェルニーと海港ブレスト―日仏交流の原点を求めて
第2章 ナポレオン三世の対外政策―遠隔地メキシコと日本の場合
第3章 岩倉使節団とフランス―明治の日本人に見えなかったもの
第4章 パリ・コミューン、ルイズ・ミシェル、大佛次郎
第5章 ゾラ『壊滅』と大佛次郎『パリ燃ゆ』をめぐって
第6章 大佛次郎『天皇の世紀』とフランス―かくれたテーマを求めて
第7章 ドイツ占領下のリヨンを生き抜いた瀧澤敬一―そのご遺族を現地に訪ねて
第8章 日系フランス人の住むニューカレドニア再訪―わたしのチオ村紀行
第9章 比較翻訳論の試み―フランス人の翻訳観を中心に
第10章 読書ノート―清岡卓行『マロニエの花が言った』を読む
著者等紹介
市川慎一[イチカワシンイチ]
1936年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1966‐69年フランス政府給費留学生。現在、早稲田大学名誉教授。18世紀フランス思想・文学および比較文化専攻。慶應義塾大学特別招聘教授、マドリッド・アウトノマ大学およびコリーマ(メキシコ)大学客員教授を歴任。日本仏学史学会元会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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