内容説明
ジャングルのドラマは今、人々が孤立する大都会でも起きている。マルケスらに影響を及ぼしたクリオリズモの代表作家が、アルゼンチンの密林を舞台に描く、生きるための闘い、死への恐怖、哀しく残酷な運命―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
7
野々村氏編のラテンアメリカの短篇集を読んだので、こちらにも着手。アルゼンチンの北東部を舞台にした作品が多く、その土地特有の匂いが感じられる。それに加え作者キロガの生い立ちや土地への執着、複雑な人格の持ち主も少なからず反映しているのだろう。作品を読んでいて感じるのは、人間に対する強い不信感と憎悪、自然への賛美である。「漂流船の怪」をキロガによるマリー・セレスト号事件の一解釈ととらえることも可能かも知れないが、単なる怪異譚ではない気がする。2015/12/23
kozawa
2
キロガの短編集というだけである程度の価値と読みごたえはあるんだけど、出さないよりは出したことをほめたいけど、やっぱ、セレクションといい訳といい、100点満点はつけられないかなぁ・・・2010/08/24
すけきよ
2
キロガと聞くと、面白おかしい「羽根枕」が真っ先に思い浮かぶ作家。あの手の作品を楽しみにしていたんだけど、ちょっと期待ハズレ。純粋に古いのか、翻訳ワークショップ作品だから無味無臭みなっちゃってるのかわからないけど、残念ながら退屈な作品が多かった。その中で面白かったのは、「野生の蜂蜜」「不毛の地」「アナコンダ」あたり。「アナコンダ」は中篇。ヴィジュアルは一昔前の動物パニックものなんだけど、内容は『みなしごハッチ』系というか(笑)2010/07/15
コウみん
1
ラテンアメリカ短編集。 とてもモヤモヤしちゃう話ばかりだが、特に最後の「アナコンダ」は結構モヤモヤしてしまった。 まるで、アマゾンの中を迷っている感じで押入れに入って読んでいそうな本だった。 2024/03/23
黄色と橙
1
ムワッとした臭気、ドロリとした狂気を感じるラテンアメリカ密林の短編集。「野生の蜜蜂」が面白かった。2011/07/08