内容説明
差別のない豊穣と自由の大陸、満州へ―国策によって大陸へ送り出された移民史上ただひとつの被差別部落。偽りの希望の果てにあった集団自決…。貧困と差別を生き抜いた主人公がたどり着いた真実と希望。史実を元にした感動長編。
著者等紹介
麻野涼[アサノリョウ]
1950年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、ブラジルへ移住。サンパウロのパウリスタ新聞社勤務を経て、1978年帰国。高橋幸春名義でノンフィクションを執筆。1987年、『カリブ海の「楽園」』で第6回潮ノンフィクション賞受賞。1991年、『蒼氓の大地』で第13回講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アンデス民話
1
壮絶。
のあ
0
知らない事が一杯あって、勉強になりました。 今でも差別が存在しているのでしょうか。2015/09/02
けい
0
これは重い。先だっての某テレビ番組で、谷川俊太郎氏が、「戦争はなくならないと思う。」とおっしゃったそうだけれども。そう、差別も、きっとなくならないでしょう。善し悪しではなく、そこにあるものを目をそらさず向き合うことが肝要。そうした上で、さあ、どうする?2015/08/12
寝なきゃ
0
フィクションです。満州なんて有りませんから。満洲なら有りますがね。2015/01/18
ちひろ
0
差別のことは知っていた。満州移民のことも知っていた。しかし両方の悲劇に見舞われた人々がいるとは。物語は悲惨な最期がわかっている戦前~敗戦までの満州移民の物語と、36年後に主人公がただひとり故郷に戻り、またしても奪われようとする故郷を守る物語が交互に展開される。差別された側の猛烈な怒りが本から立ち上ってくるかのようだ。膨大な犠牲のもとに守られた故郷に未来はあるか。私達は大地郎たちの見た未来を生きることができているか。2024/08/31