出版社内容情報
「『死刑囚物語』には、現代における拘置所の内部の限界状況における生活が、著者の軽やかな筆致で、ときとしてユーモラスに、ときとして悲惨に描き出されている」(加賀乙彦)
内容説明
死刑囚が「死刑」について語る…希有な書。
目次
第1章 ただいま「再審請求中」(死刑執行には何の意味もない;上告の取り下げと“自裁”計画 ほか)
第2章 わが死生観と獄中座禅20年(わが生の目的;不名誉な“刑死” ほか)
第3章 東京拘置所の死刑囚の仲間たち(1)(死刑囚観察記;東村山署警察官殺害事件―田中重穂のこと ほか)
第4章 東京拘置所の死刑囚の仲間たち(2)(「袴田事件」元プロボクサーの袴田巌;「三崎事件」盲目の死刑囚、荒井政男 ほか)
著者等紹介
澤地和夫[サワチカズオ]
1939年、岡山県生まれ。58年警視庁に入り、大森署勤務を経て機動隊に所属。デモの規制や首相官邸、国会警備、各国大使館等の警備にあたる。80年、22年間勤めた警視庁を退官し、新宿西口で居酒屋を経営するが82年に閉店。多額の借金を背負う。借金の支払いのため84年10月、宝石ブローカーと金融業者とを相次いで殺害し、11月23日、強盗殺人罪で逮捕される。裁判では87年10月、一審、89年3月、二審とも死刑判決を受けるが、93年7月、当時の後藤田法相による3年ぶり、3人の死刑執行に抗議して上告を取り下げ、みずから死刑を確定させる。2000年9月、人権派の弁護士の協力を得て再審を請求。しかし、03年3月、第一次再審請求棄却。同年4月、東京高裁に即時抗告の申立をなし、06年3月現在に至っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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