内容説明
「私達のM資金は本物です」「やっぱりあれはあったんですね…」昭和から次々と大企業経営者たちが飲み込まれてきた「M資金詐欺」。令和もなお黒く輝き続ける「幻」の正体を追う。
目次
第1章 M資金の誕生(M資金とは何か;ブラックスキャンダルから詐欺のツールへ ほか)
第2章 令和のM資金詐欺(千代田区Zビルディング~コロワイド事件;ウソは壮大に ほか)
第3章 M資金を操る詐欺師たち(MSAの名刺~大手町グループ;次なる標的~大手地方銀行A ほか)
第4章 M資金に群がる経済人たち(株式会社産業革新機構;ビッグディール~大手旅行会社株式会社X ほか)
最終章 M資金は増殖する(新しい生贄;新種の誕生 ほか)
著者等紹介
藤原良[フジワラリョウ]
週刊・月刊誌や各種webでアウトロー分野の記事を多数執筆。マンガ原作も手がける。万物斉同の精神で取材・執筆にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
104
世に盗人の種は尽きまじというが、名だけは知っていたM資金詐欺の全体像を理解できた。戦後ずっと詐欺の種にされてきた話が令和の今なお現役で、これをネタにする詐欺集団にも専門分野があり、プロとしてのプライドで“仕事”に励んでいるとは漫画『クロサギ』も真っ青だ。しかもⅯ資金話にロマンを感じて金を出す財界人もいるとは、小説として提示したら「あり得ないバカ話」と酷評されるかも。ただ実在の企業や経営者が一部実名で登場するが、噂話の集成に近いのが難点。柳田邦男や立花隆に親しんだ世代としては、事実の匂いが全く感じられない。2022/11/12
R
37
胡散臭いけど面白い本だった。昭和戦後より続く、詐欺手法なんだが、令和の今に至るまで続いているという歴史を追った本。系統だてて、M資金を語るにも派があるという事実が面白くて、様々な思惑と関係者によるものなんだなと、ひっかかる方にも、なんとなく納得してしまった。これはロマンだという層がいるというのも衝撃的だったけど、そういう層が骨董屋ネットワークで繋がるのが面白い。付け足したように詐欺被害撲滅のための啓蒙書と書かれているが、終盤、どう見てもM資金の実在を匂わせる記載で終わるのはずるいだろうと思った。2022/10/31
Melody_Nelson
7
M資金…知らなかった。胡散臭いし、バカバカしい。なのに騙されてしまう経営者たちって一体?しかも、ローソンの玉塚氏(当時は社長)やHISの澤田会長まで。彼らの世界では、こうした怪しい話は日常よくあり、実際に儲けたりもしてるのかな。謎。 本書では、M資金の派生形の詐欺の話も出てくるが、どこまでが真相なのだろう。美人詐欺師として出てくる岩合直美氏には興味を持った。ある意味、凄い…。2023/02/01
onepei
3
詐欺から詐欺をつくるんだ、と思った2022/08/31
千本通り
2
M資金の話はなかなかまとまった本がなく、この本はかなり突っ込んで取材されていて近年の話も多く書かれている。だまされたりだまされかかった話で、本人にとっては不名誉なのでイニシャルばかりで実名は伏せられているが、いろいろと形を変えて現在も行われている詐欺行為といえる。2024/08/25
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- 和書
- ケーキやさんのゆうれい