内容説明
巨艦を通して描く戦争の真実。ノンフィクション文学の金字塔。
目次
海軍兵学校
三菱長崎造船所
軍艦旗
トラック島
浮かべる城
海軍少尉候補生
甲板士官
パラオ泊地
呉軍港
二隻の駆逐艦
第一次ソロモン海戦
サボ島沖海戦
マリアナ沖海戦
海上輸送
リンガ泊地
出撃
シブヤン海
著者等紹介
手塚正己[テズカマサミ]
1946年、長野県生まれ。東京で育つ。日本大学芸術学部中退後、フリーの助監督として劇映画、短編映画に従事。岩波映画製作所にて初演出後、ドキュメンタリー映画、テレビ番組などを多数演出する。91年、長編ドキュメンタリー映画『軍艦武藏』を製作監督。2003年、一〇年以上の取材期間を経て『軍艦武藏』を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
り こ む ん
32
建造から運命のシブヤン海の第一次対空戦闘までの話。乗組員の日常、武蔵の行動が、証言をもとに語られ、他の艦にもスポットをあててくれてるのが、ありがたい。戦時中、大きな戦闘に参加したとは言い難い武蔵の乗組員の戦時中にしては恵まれてる日常が興味深い。それでも厳しいは、厳しいのだけど‥‥そして、満を持して建造された大和、武蔵が、だんだんお荷物と化してゆく戦況が、やっぱり‥‥先見性の無さを実感する。2018/06/09
usanosuke
5
武蔵の建造からシブヤン海での第一次対空戦闘までが描かれる上巻。三菱長崎造船所で建造された武蔵は、徹底した監視体制の中、その名も伏せられ、竣工までは「二号艦」という秘匿名で通された。主役が航空母艦へ移ろうとしている時代にあって、時代遅れの巨艦であると指摘する者もいたが、46サンチ主砲を搭載した巨大な相貌から、誰もが武蔵を不沈艦であると信じて疑わなかった。冷房の効いた居室など、他艦に比して贅沢な設備は「武蔵御殿」と揶揄され、陰口を叩かれるほどであった。こうした艦のエピソードだけに留まらず、著者の徹底(続く)⇒2015/08/16
とくま
3
×P28。2019/04/16
030314
1
朝読むと仕事モードに変換できない。夜読むと目がさえて眠れない。あまりに感情がかき立てられ、シナプスが爆発しそうだ。とても下巻を読む気になれない。2017/08/06
デントシロー
0
巨大軍艦武蔵、戦艦大和の建造が日本敗戦の原因であった事実に驚いた。巨大戦艦を建造中にアメリカは航空戦略に力を投入し、原子爆弾を開発していた。日本は古式の戦術に固執した。武蔵がいかに海軍の象徴であり乗組員の状況などが詳しく書かれており貴重な戦争の資料となっている。太平洋戦争を新たな側面から考えることができた。あまりにも無謀な戦争でありミッドウェー海戦の敗北からは国力は限界に達している中で悲惨な道をたどっていく過程は同じ国民として軍部の決断に怒りを感じた。山本五十六を断じたように無謀な戦争であった。2015/08/17