出版社内容情報
北陸鉄道金名線は石川県南部山間部の白山下駅から、手取川の流れに沿って加賀一の宮駅までを結んだ鉄道です。
北陸鉄道金名線は石川県南部山間部の白山下駅から、手取川の流れに沿って加賀一の宮駅までを結んだ鉄道です。
1926(大正15)年の開業当初は金名鉄道と称しましたが、この鉄道名は「金沢」と「名古屋」から一文字ずつとった大変壮大なものでした。
戦時中には石川県内の多くの私鉄が統合されて北陸鉄道が設立され、金名線もその一員となりました。特に金名線は、線路が接続する石川線、能美線とともに、「石川総線」と称されたこともありました。
能美線と同じく自動車の普及による利用者とともに昭和40年代には朝夕のみの運行となりました。1984(昭和59)年には運転を休止、以後列車が運行されることなく、1987(昭和62)年に全線が廃止されました。
寺田 裕一[テラダ ヒロカズ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えすてい
5
金沢と名古屋を結ぶ壮大な路線・・、と思われがちだが、もともとは北陸鉄道の路線ではなく、北陸鉄道に統合されたローカル私鉄である。その前身会社も金沢名古屋間直結をガチで構想していた訳ではなく。晩年はモータリゼーションによる乗客減少だけでなく、橋脚の風化(劣化)による休止を余儀なくなれそのまま廃止。鉄道としての輸送を果たせなくなった末路である。名鉄モ700形を改造した3700形、名鉄モ700形からは実に大きく「化けた」ものであある。2018/10/24
やまほら
1
金名線に乗ったのは1982年の1月だったか。小学生たちが三々五々スキーを持って乗ってきて、白山下で降りたのが印象に残っている。著者が訪問した時の記録、歴史、駅、車輛の紹介の構成だが、戦前が官庁提出書類の長文引用等でページを割かれているのに対し、戦後はあっさり。車輛紹介は、紹介全形式の写真は掲載されているものの、モハ3750形改造後の写真がないなど、何となくあっさり感がある。誤植も気になった。白山下-白鳥延長計画の図面は興味深かった。2018/10/28