内容説明
この明るさはなんだろう。花々が揺れる、樹木が騒ぐ。すべてが光の環のなかだ。鋭利な錐で言葉を穿ち、おだやかな斧でしらべの根元を裂く。そして、読者を無意識のまま、ゆっくりと聖なる異界へと誘っていく。混迷の世に、歌のまことを問う渾身の評論・エッセイ集!
目次
1 馬場あき子(馬場あき子―“道行”を起点として;白を歌う―豆腐としら飯と足袋と ほか)
2 前登志夫(転生する風景―樹の歌をめぐって;百合と地図 ほか)
3 歌の葛籠(斎藤茂吉の冬―雪と時雨をめぐって;瘋癲と邪宗―『赤光』と『桐の花』より ほか)
4 折々の歌(“自然”を記憶する;海人、山人―谷川健一追想 ほか)
著者等紹介
日高堯子[ヒタカタカコ]
1945年、千葉県いすみ市生まれ。早稲田大学卒業。1979年、短歌結社「歌林の会」入会、馬場あき子に師事。現在、歌誌「かりん」選者。現代歌人協会会員。日本歌人クラブ会員。日本文藝家協会会員。歌集に『樹雨』(日本歌人クラブ賞、河野愛子賞受賞)、『睡蓮記』(若山牧水賞受賞)、『水衣集』(小野市詩歌文学賞受賞)など、現在十歌集(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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