内容説明
大江戸を揺るがす怪事件の数々に日夜挑む、南町奉行所の定町回り同心六人衆…。その中でも、同心歴三年の若手ながら、謎を解くことに生き甲斐を求める千秋城之介は、意外な下手人を次々にふん縛り、今や頼りがいのある八丁堀のだんなとして知られている。ある日、四谷伝馬町の油屋のひとり息子が行方不明になった。さっそく新参者の日下兵馬を引き連れ現場へ向かう城之介。だがこの一件、どうやらある大名屋敷の存在が見え隠れする。そして今日も冴え渡る推察力!次の瞬間にはもう、兵馬に対し驚きの命を下していた―。推理の達人・島田一男の傑作で、「BSフジ時代劇名作選」「時代劇専門チャンネル」にて映像化された人気シリーズ『江戸の旋風』の原作!!
著者等紹介
島田一男[シマダカズオ]
1907年、京都府生まれ。満州日報社にて新聞記者を務めた後、1947年、雑誌「宝石」の短編懸賞入選作『殺人演出』で作家デビュー。1951年、『社会部記者』で探偵作家クラブ賞を受賞。以後、本格推理、探偵作品が好評を博す。痛快な捕物を描く時代小説の著作も多い。1971年、日本推理作家協会理事長に就任。1996年、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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海猫
55
島田一男による捕物帳シリーズ第1巻。10話収録。同心歴3年の若手の千秋城之介がメインではあるが、他の定回り同心たちもチームプレイ的に活躍。各話少し短めであるが展開のテンポが抜群に早く、文章がキビキビとして心地良い。毎話の趣向にもバリエーションあってなかなか楽しめる。どの話も艶っぽい場面が盛り込んであるが、単に読者サービスなだけではなく、ストーリーに有機的に絡むようになっているのが巧い。内容は時代小説だから古びてない感じだが、作品に漂う倫理観や女性描写は昔のエンタメ感がする。それはそれで良い味わいではある。2025/06/06
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