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著者等紹介
末永昭二[スエナガショウジ]
1964年、福岡県生まれ。大衆小説研究家。立命館大学文学部卒。『新青年』研究会に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
61
竹中英太郎氏について知ったのは創元推理文庫版『孤島の鬼』からだ。あの時は本屋で卒倒しそうになりました(笑)氏は乱歩全集(創元推理文庫)で収録されている挿画の大半を担当したそうだ。そんな英太郎氏の作品と共に大御所探偵小説家の作品にも触れられる贅沢な一冊。『渦巻』の文字と絵が互いを殺し合わないデザイン性や目にした途端、ギョッとする『R燈台の悲劇』の見開き絵のインパクトは流石。乱歩の『地獄風景』は既読だけど、そのあっけらかんとしておどろおどろしい世界観が柔らかで官能的な線で見事に表現されていて戦慄。2017/12/31
HANA
49
竹中英太郎が挿絵を描いた小説集。二巻目は推理を中心としたものが収録されている。英太郎の画はやはりぼかし具合が、霧に煙った夜のようで素晴らしい。「R灯台の悲劇」だと珍しくはっきりした線で描かれているのと、ぼかしが見事に融合しているし。あと本巻では横溝正史の単行本未収録作品とか乱歩名義の代筆とか、資料的価値のありそうなものも多数収録されている。大下宇陀児の「魔人」読んでみたいが、手に入らないだろうなあ。「怪奇」でもそうだったけど、英太郎の筆にかかると理知的な「推理」もことさら怪しげな輝きを放つように思えた。2016/09/07
保山ひャン
2
竹中英太郎挿絵の小説集。地獄風景や魔人の挿絵ギャラリーも充実しているし、乱歩の「渦巻」(代作)や、横溝正史が別名義で書いた「桐屋敷の殺人事件」、大泉黒石、森下雨村、とみどころ満載。なによりうれしいのは、大下宇陀児の「R燈台の悲劇」が収録されていること。「魔人」の紹介もあわせて、大下宇陀児の全集でも出ないものか、と心待ちに待ってしまう。2016/10/03
quinutax
1
挿絵込みで復刻って実際にやってみるととても難しい。だから物語を追うより製版やら字組、旧字旧かなの起こし方など表面的なものにやたら目がいってしまう。竹中英太郎の絵は濃淡の世界でもあるので茶ばんだ紙から起こすのは難しい、けどもう一歩も頑張ってほしかった。一部だけ旧字旧かなを残したのは何故なんだろう、あと組版も。とりあえず宇陀児の小説読めて良かったです。乱歩の大風呂敷広げた第二のパノラマ島はまあ粗筋だけでいいかと思った、全集あるけど。2017/06/13