内容説明
戦後70年、「闇市」をめぐるはじめての短編集。
著者等紹介
モラスキー,マイク[モラスキー,マイク] [Molasky,Michael S.]
1956年米国セントルイス市生まれ。1976年に初来日し、のべ20数年日本滞在。シカゴ大学大学院東アジア言語文明学研究科博士課程修了(日本文学で博士号)。ミネソタ大学、一橋大学教授を歴任。2013年秋学期より早稲田大学国際学術院教授。日本の戦後文化や都市空間を通じて、現代日本社会を捉えなおす講義を担当。日本語の著書に、『戦後日本のジャズ文化』(青土社、2005年、サントリー学芸賞受賞)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
49
戦中、戦後、配給が乏しかった時代、庶民にとって無くてはならなかった闇市。その闇市を舞台とした作品、闇商品を売買する商人が登場する作品、闇市が登場する作品などの闇市アンソロジー。太宰治、平林たい子、坂口安吾、野坂昭如、永井荷風、石川淳など、どの作品も味わい深かった。皓星社の紙礫シリーズ1作目らしい。この出版社から出ている紙礫シリーズ2作目の街娼 パンパン&オンリーや、3作目の人魚のアンソロジーも読んでみたい。2016/10/30
ばんだねいっぺい
34
闇市の短編集。太宰治「貨幣」、耕治人「軍事法廷」、鄭承博「裸の捕虜」、野坂昭如「浣腸とマリア」、坂口安吾「日月様」がお気に入り。初読の作家も多く、これを機にいろいろと手を出してみようかと思ったり。2022/10/06
きんてつ
17
戦中、戦後の闇市をテーマに著名な作家による短編集。先入観と違い、読みやすく面白ーい。昔の名作もかじってみようかな。2016/01/24
渡邊利道
3
昭和文学のテーマアンソロジー。戦中戦後の闇市の記憶を鮮やかに、また幅広く想起させる作品が集まっている。女性作家の作品の理知的で丁寧な文体、男性作家の朴訥にリアリズムだったおが戦後には逆に振れて戯作的になる作品群が何重にも屈折を感じさせる対照で興味深い。あと解説が丁寧で非常に面白かった。ひとつひとつの短編の出来はともかくとしてまとめて読むことに宿るアンソロジーの本懐を感じた。〈経済流通システム〉〈新時代の象徴〉〈解放区〉の三部構成。2017/02/19
ナツ
2
闇市、闇屋が出てくる戦後の小説のアンソロジーなので、当たり外れあり。闇市を舞台にした話ばかりではなく、あくまでストーリーの中の一要素だったりする。2018/11/16