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内容説明
シベリアを漂流する財宝の運命とは。ロシア革命とともに流出したロシア王家の莫大な財産―そのゆくえについて、いまなお陰謀と伝説が語り継がれる。一部は日本にも持ち込まれた金塊のたどった道を、「証拠主義」に徹し究明する、「ロマノフ金塊疑惑」決定版。
目次
第1章 時代(第一次大戦の勃発;せめぎあう列強の思惑 ほか)
第2章 シベリア金塊の正体(五〇〇トンの黄金;全ロシア臨時政府 ほか)
第3章 金塊、逃げる(二隻の砕氷船;尼港事件 ほか)
第4章 波高き日露のはざまで(原敬暗殺;日本の対ロシア債権 ほか)
第5章 地下水脈(田中義一の軍事機密費着服疑惑;歩兵第五九連隊の金塊と「宇都宮の怪火」 ほか)
著者等紹介
上杉一紀[ウエスギカズノリ]
1953年札幌生まれ。早稲田大学法学部卒。北海道テレビ放送入社。主に報道畑を歩き、ニュース、ドキュメンタリーの制作にあたる。旧ソ連の閉鎖都市ウラジオストクを西側テレビ記者として初取材。マニラ特派員(ANN系列)、報道部長、取締役、映像制作会社代表等を務めた。番組に「霧の日記~アリューシャンからの伝言」(日本民間放送連盟賞テレビ教養部門最優秀作)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
10
帝政ロシアの金塊がシベリアに出兵していた日本軍の手に落ちた話は有名だが、ほとんど伝説と化して小説や映画のネタでしかなかった事実を初めてきちんと追いかけた本が出た。チェコ軍団が奪った金塊500トンが軍資金として長いシベリア鉄道を延々と運ばれ、日本のみならず各地の軍閥、反革命軍やゲリラなどの標的となって戦乱が起き、陰謀が交錯する。白い大地で黄金を巡り大量の赤い血が流される有様は複雑怪奇だが、すべての秩序が崩壊し人間の欲望があからさまになった世界を描く巨大な絵画のようだ。この一部始終を描く大河小説が読みたいが。2020/06/19
Sobbit
7
ゴールデンカムイを読んでちょっとアイヌとか日本の明治政府とか帝政ロシアとか調べようかな…と思った人にはピッタリの本、と言いたいところだが、本書めちゃくちゃ読みにくい。読んでも読んでも頭にさっぱり入ってこない。私だけだろうか。内容自体は本当にちゃんと調べて書いてあると思うのだが、とにかく読みにくい。頑張って読みながら考えていたのだが、「○○を奇貨として」「大所高所から」など平易だがあまり使わない言葉を使っているからか…。内容はまっとうだがとにかく読みにくかった。内容はまともだし面白いのだが…2021/09/16
Keitaro Nakajima
4
ゴールデンカムイならぬゴールデンロマノフ! 第一次世界大戦中に消えたロシアの金塊の行方を史実の資料で追いかけた一冊。今がバブル期だったら、日本のテレビ番組がロシアに金塊を探しに行っていたかもしれない(笑) 少し値段が高いのと、ロシアの金塊という類似本の少ないニッチなジャンルなので心して挑め! 2020/01/14
ilalove6
1
「ロマノフの金塊」はれっきとした帝政ロシアの金準備だから、存在そのものには争いがない。帝政ロシアの国庫に第一次大戦の直前まで、1240トンあったという。当時の全世界の金準備の二割を占める莫大な量だ。 戦争の戦費で目減りしたうえ、ボリシェヴィキ政府の管理下に入るが、その後5年も続くロシア内戦の前半、西シベリアのオムスクを首都としてボリシェヴィキ政府と対峙した白系全ロシア政府の金準備に500トンが組み入れられる。日本のシベリア派遣軍や外務省の暗号電を、一次資料としてふんだんに使っている。 2020/01/31