出版社内容情報
「本当の私」はだれなの?「多重人格」な私が身につけたライフハックの数々。けっこう困ってるけど、今日もなんとか生き延びてます!「本当の私」はだれなの?
解離性同一性障害の当事者が描いた「多重」の世界のリアル&私が身につけたライフハックの数々。
けっこう困ってるけど、今日もなんとか生き延びてます!
専門医による病気・症状についての解説コラムを収録。
1 分け入っても分け入っても精神科
2 求められるのは「患者力」!?
3 頭の中の仲間たち
4 幸せになりたい
5 ここはどこ、私はだれ
6 「私は悪くない」!
7 活動意欲とその行方を追え!
8 やってやれないことはない?!
9 めぐる症状、飽くなき挑戦
10 現実はどれだ!
11 メメント・モらない!
あとがき
かいせつ(岡野憲一郎)
困ったときの相談先
おすすめの本
Tokin[トキン]
著・文・その他/イラスト
岡野憲一郎[オカノケンイチロウ]
解説
内容説明
「本当の私」はだれなの?解離性同一性障害の当事者が描いた「多重」の世界のリアル。
目次
1 分け入っても分け入っても精神科
2 求められるのは「患者力」?!
3 頭の中の仲間たち
4 幸せになりたい
5 ここはどこ、私はだれ
6 「私は悪くない」
7 活動意欲とその行方を追え!
8 やってやれないことはない?!
9 めぐる症状、飽くなき挑戦
10 現実はどれだ!
11 メメント・モらない!
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
31
多重人格ではないが、最近になってトラウマを抱えた解離の方と知り合うことになり、本書を読んでみた。主人公は双極性障害もあり、他方で才能にも恵まれているようだ。ただ、そんな人達ばかりではないはずだし、もっと軽度の境界領域の人の方が多いはず。典型的で分かり易くなってはいるが、その辺りに疑問が残る。ぼく自身は全く健全なので、マンガならではの心象風景の表象は大いに理解の役に立った。当事者の政治性を強調する風潮は感心しない。2022/08/11
梅ちゃん
23
2019.03.05解離性障害の解離とは、心や体の一部が本体部分からはなれてしまうこと。心の症状としては、一定の時間内に起きたことを思い出せない、あるいは別の人格に入れ替わってしまうなどの症状。体の症状は、突然体の機能や感覚が止まってしまったり勝手に動き出したりするという症状。この診断をされた人がいたので、少しでも理解したくて、読んでみた。当事者にとっては本当に苦しいんやろなぁ。周りの人はなかなか気づかないから追い込んでしまうんやろなぁ。2019/03/05
くさてる
18
とても良かった。いわゆる当事者のエッセイコミックの訴えの切実さや生々しさはどれも読みごたえあるけれど、この本はそれに加えて、表現としての巧さがある。漫画としての完成度が高い。リアルな苦しみや悲しみが伝わってくるだけでなく、その世界の不思議さと難しさがこういう風に当事者の目に映っているんだなということが分かるのだ。本当に大変な実体験をこういう形で表現できるのは、著者の才能だと思う。そして大事なことは、その才能をもってしても、解離性障害の苦しさそのものが消えることはないということかなと思いました。2020/04/22
テロメア
9
僕の妻は解離性障害です。ここに書いてあることは妻から聞いていたエピソードにかなり似ていて重なりすぎ、妻自身はつらくて読めなくなるほどでした。僕はサポートする者として、この本は多くの解離性障害を家族に持つ方にこそお勧めしたい。解離性障害のことがわかりやすく描かれていますし、何よりも今この瞬間を生きているだけでいいんだ、というメッセージは絶望の淵にいる解離性障害を持つ妻に届くと願いたい。今はつらくても、いつかゆっくりでいい。ゆっくりと自分の障害と向き合い受け入れられる日を信じて、僕たちは今日も生きてゆきます。2019/03/08
しおえもん
9
多重人格と聞けばビリー・ミリガンかミステリーのギミックを思い浮かべますが、これは当事者が乖離している状態がどのように見えているか、何が辛いのかをとても分かりやすく描いています。本人はもちろん支える家族も本当に苦しかっただろうし、こうして自分の状態を発信出来たことがすごいと思う。自分が自分である事が確信できないというのは何と不安で心細い事だろう。喜びも達成感も手のひらからこぼれていくような気持なのかな。今は周りの支えもあり少しずつ積み上げておられるようで、どうか幸せでありますようにと心から祈ります。2018/12/05