岐路に立つ日本の大学―新自由主義大学改革とその超克の方向

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  • サイズ A5判/ページ数 288p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784772613491
  • NDC分類 377.21
  • Cコード C0036

出版社内容情報

新自由主義の「大学も企業」論が罷り通り、大学崩壊の危機的状況に直面しているいま、原点に立ち返り、再生への道を探る。 大学の発祥は近代国家よりも早いと言われ、人類のために普遍的価値を探求するものと考えられてきた。しかし、国際社会の環境が変化したので、その原理は変わったという言説が喧伝されている。大学は、国家の教育政策に基づいて学長の「命令」によって業務を行う事業体と見做されているのだ。これでは、学問の自由と自治を基礎として学問研究と高等教育を行う場ではなくなる。
 この十数年間における日本社会と大学の変貌は著しい。改憲に執念を燃やす勢力が跳梁し、社会保障、平和への願いには目もくれず、「戦争する国」に向けて跋扈する。過去の歴史や世界の流れに背き、虚偽とはぐらかし、事実の捻じ曲げや隠ぺい、あげくの果てに開き直りがまかり通っている。
 大学崩壊の危機的状況に直面しているいま、原点に立ち返り、再生への道を探る。

 序にかえて
  ?部 新自由主義大学改革の形成と展開 
第1章 新自由主義大学改革と国立大学法人
第2章 大学ガバナンスをめぐる法制度的検討
第3章 高等教育政策の展開と大学評価
第4章 財界の大学介入・支配の構造
 ?部 新自由主義大学改革を超えて
第5章 大学論の課題と大学政策の基本問題
第6章 教育権論の生成・展開と「無償教育の漸進的導入」
第7章 自主的・自律的・創造的な大学改革への要綱
 むすび
 あとがき

細井克彦[ホソイカツヒコ]
著・文・その他

内容説明

この十数年間における日本社会と大学の変貌は著しい。改憲に執念を燃やす勢力が跳梁し、国民の経済や社会保障、平和への願いには目もくれず、「戦争する国」に向けて跋扈する。過去の歴史や世界の流れに背き、虚偽とはぐらかし、事実の捻じ曲げや隠ぺい、あげくの果てに開き直りがまかり通っている。大学崩壊の危機的状況に直面しているいま、原点に立ち返り、再生への道を探る。

目次

序にかえて―岐路に立つ日本の大学
1部 新自由主義大学改革の形成と展開(新自由主義大学改革と国立大学法人―国立大学制度から国立大学法人制度へ;大学ガバナンスをめぐる法制度的検討―学問の自由と自治の観点から;高等教育政策の展開と大学評価―「大学改革」政策のツールとしての評価;財界の大学介入・支配の構造―1990年代後半以降の政策的提言を中心に)
2部 新自由主義大学改革を超えて(大学論の課題と大学政策の基本問題;教育権論の生成・展開と「無償教育の漸進的導入」―高等教育を視野に;自主的・自律的・創造的な大学改革への要綱―「経済成長」のための大学政策から民主主義に向けた大学政策へ)

著者等紹介

細井克彦[ホソイカツヒコ]
1944年生れ。大阪市立大学名誉教授。東京大学大学院教育学研究科後期博士課程満期退学、博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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