内容説明
「精神分析臨床シリーズ」の最終巻にあたる本書は、パーソナリティ障害への精神分析的心理療法という、病者のこころの本質を知り、その本質に働きかけていく治療手技の実際を提示することを試みる。さらに、そのために求められる理論や鑑別、治療手技が活きるための協働態勢や環境の準備についても提示している。シリーズ既刊書の臨床素材はパーソナリティ障害を基底とするケースから得ており、その意味でも本書はシリーズの最終巻にふさわしい内容となっている。
目次
紹介―パーソナリティ障害
第1部 視点(パーソナリティ障害の今日的分類と力動精神医学;パーソナリティ障害のメタサイコロジィ;総説:パーソナリティの病理構造とパーソナリティ障害)
第2部 分析的心理療法の実際(ねじれた愛情希求―万能的な充足願望と満たされなさへの不耐性;ひきこもり男性における薄皮のナルシズム;治療の行き詰まりと、愚直に逆転移の吟味を反芻すること―パーソナリティ障害の事例との経験から;不在の乳房からの退避―自己愛性パーソナリティ障害での病理構造体;中年期におけるパーソナリティ障害―覆い隠されてきた罪悪感の痛みと心的変化への抵抗)
第3部 コンテイニング(パーソナリティ障害における逆転移―“共狂い”から理解を産み出すこと;パーソナリティ障害の看護の実際―患者と向き合う看護;マネージメントで行うことと注意すること―病理行動がわきだつパーソナリティ障害の場合)
著者等紹介
松木邦裕[マツキクニヒロ]
1950年佐賀市生まれ。熊本大学医学部卒。1985年から1987年に英国ロンドンのタビストック・クリニックへ留学。現在は京都大学大学院教育学研究科臨床心理実践学講座。日本精神分析協会正会員
福井敏[フクイサトシ]
京都府綾部市に生まれ育つ。1977年大阪市立大学医学部卒業後、福岡大学医学部精神医学教室にて研修・臨床に当たる。1986年~1989年、米国メニンガー・クリニックにて研修。2002年以降、数カ所の病院・クリニックにて診療に従事すると共に自らのオフィスにて自由診療を実践している。資格:日本精神分析協会正会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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