出版社内容情報
《内容》 精神医学全体を眺めると,人格との関わりが問題とならなかった精神疾患はおよそ存在しない。そして,人格障害への治療的対応の重要性は広く知られている。
本書は,臨床経験に基づいて著者が練り上げてきた治療モデルを提示することを軸として,人格障害の臨床の全体像を描き出すことを目指したものである。まず第I部では,人格障害の基本的特性を明らかにした上で,世界保健機構や米国精神医学会の診断基準で規定されている類型ごとに,疾病論的位置付けや診断評価の意義の検討,臨床研究の流れの展望が行われる。第II部では個人精神療法や入院治療,家族との協力,自殺企図や暴力への対応など,さまざまな臨床場面における対応方法に焦点があてられる。さらに第III部では,8症例の長期的な治療経過が紹介されるうちに,第I部,第II部の理解が敷衍され,多くの臨床的知見を含む議論が展開される。
人格障害は,すべての心の専門家が関心を向ける必要のある重要な問題である。臨床的課題への対応はいかにあるべきかという視点に貫かれた本書は,人格障害の基礎的理解を深め,臨床での実践を進める上で適切な指針となるであろう。
《目次》
□主な目次
第I部 人格障害の基本的特徴
第1章 人格障害をどのようにとらえるのか?
第2章 人格障害診断の位置付けと問題点
第3章 人格障害理解の発展
第4章 人格障害の治療についての研究の展望
第II部 精神科診療における治療
第5章 個人精神療法の概説
第6章 人格障害治療における前提的事項
第7章 人格障害の問題行動の理解
第8章 治療の進展:問題の把握とその対応
第9章 患者への生活支持的援助
第10章 治療チームによる対応:精神科病棟やデイケアにおける治療
第11章 家族との共同作業
第12章 いくつかの臨床的な問題
第III部 症例による検討
付 人格障害の臨床についてのFAQ(質疑応答集)
内容説明
本書は、臨床経験に基づいて著者が練り上げてきた治療モデルを提示することを軸として、人格障害の臨床の全体像を描き出すことを目指したものである。まず第1部では、人格障害の基本的特性を明らかにした上で、世界保健機構や米国精神医学会の診断基準で規定されている類型ごとに、疾病論的位置付けや診断評価の意義の検討、臨床研究の流れの展望が行われる。第2部では個人精神療法や入院治療、家族との協力、自殺企図や暴力への対応など、さまざまな臨床場面における対応方法に焦点があてられる。さらに第3部では、8症例の長期的な治療経過が紹介されるうちに、第1部、第2部の理解が敷衍され、多くの臨床的知見を含む議論が展開される。
目次
第1部 人格障害の基本的特徴(人格障害をどのようにとらえるのか?;人格障害診断の位置付けと問題点;人格障害理解の発展;人格障害の治療についての研究の展望)
第2部 精神科診療における治療(個人精神療法の概説;人格障害治療における前提的事項;人格障害の問題行動の理解;治療の進展:問題の把握とその対応;患者への生活支持的援助;治療チームによる対応:精神科病棟やデイケアにおける治療 ほか)
第3部 症例による検討
付 人格障害の臨床についてのFAQ(質疑応答集)
著者等紹介
林直樹[ハヤシナオキ]
1955年東京に生まれる。1980年東京大学医学部卒業。東京大学附属病院分院神経科、都立松沢病院精神科、東京都精神医学総合研究所勤務を経て、現在、都立松沢病院精神科部長、東京都精神医学総合研究所兼務研究員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。