子どもの本は世界の架け橋

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784772190374
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0023

内容説明

第二次世界大戦直後のドイツ。レップマンは、子どもたちに精神の糧となる「本」を手渡すことを唱える。「子どもの本を通しての国際理解」という彼女の理念は、ミュンヘン国際児童図書館と国際児童図書評議会に今も受け継がれている。子どもの本の力を信じつづけた女性、イェラ・レップマンの自伝。

目次

1 母国ドイツへ
2 戦後ドイツの人々
3 国際児童図書展
4 戦後ドイツでの仕事
5 アメリカ講演旅行
6 子どもの本を通して広がる世界
7 ドイツから世界へ

著者等紹介

レップマン,イェラ[レップマン,イェラ][Lepman,Jella]
1891年、ドイツのシュトゥットガルトに、ユダヤ人の工場主を父に三姉妹の次女として生まれる。17歳の時、外国人労働者の子どもたちのために国際読書室を開く。第一次世界大戦後、31歳で戦争未亡人となり、ジャーナリストの道を歩む。1928年、初めての児童書『寝坊した日曜日』を出版。ヒトラー台頭と共に二人の子どもを連れてロンドンに亡命するが、1945年ドイツ進駐の米軍に請われて「女性と子どもの文化的・教育的問題に対するアドバイザー」としてドイツに帰国。国際児童図書展の開催、ミュンヘン国際児童図書館(IJB)や国際児童図書評議会(IBBY)の設立など、子どもと本のために心血を注ぐ。1970年、没

森本真実[モリモトマナミ]
千葉大学大学院文学研究科修士課程修了。ドイツ・ゲッティンゲン大学とフライブルク大学で民俗学とドイツ文学を専攻、口承文芸について学ぶ。現在、東京子ども図書館職員、千葉大学非常勤講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒラP@ehon.gohon

25
国際アンデルセン賞は知っていますが、国際児童図書評議会(IBBY)については無知だった私です。この本に登場するよく知っている絵本たちが、イェラ・レップマンによって、戦後の社会で子どもたちに夢と希望をあたえた事を知り、その功績の素晴らしさに感動しました。 ドイツ生まれのユダヤ人である彼女が、アメリカから派遣される形で降り立ったドイツの廃墟からこの本は始まります。 生まれた土地で、彼女がしたことは子どもたちに夢を与えること。 読み聞かせをする者にとって、絵本の歴史を知る上でとても参考になる図書だと思います。2021/11/15

ふじ

23
読んで良かった。というか児童書扱う自分には必読図書だった。第二次大戦後『ドイツの子ども・女性の文化的教育アドバイザー』としてドイツに戻ったユダヤ系の女性、イェラ・レップマン。彼女が台風のような勢いで、強い信念を持ち、世界の絵本という『精神の栄養』を与えていく。まだ衣食住すら足りず、盗っ人や乞食が溢れていた中で、その重要性を信じて疑わず、行動に移す姿は圧巻。国際児童図書展に始まり、国際児童図書館、IBBYの設立、国際アンデルセン賞の誕生。そして今へ受け継がれていく。レポートにまとめたくなる濃密な自伝でした。2018/04/22

絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく 

18
『子どもの本で平和をつくる イエラ・レップマンの目ざしたこと』 https://bookmeter.com/books/18210092 で知り、もう少し深く彼女の人生を知りたくなって借りた本。子どもたちの「精神の糧」を信条にされ行動されたことは、戦時下の子どもたちにとって大きな希望であり癒しになっていたのだと改めて素晴らしい活動だったのですね。彼女自身ユダヤ系でありながらのドイツでの活動にも大きな意味があると思います。現代にも繋がっている信念を大切に続けていきたいですね。2021/11/24

ののまる

12
廃墟となった第2次世界大戦後のドイツ。「まず子ども達からはじめさせてください」と図書館を作ることから復興を始めたレップマンの自伝です。孤児となったり戦争で傷を負ったドイツの子ども達のために本を。ナチスドイツの衝撃が醒めやらぬ旧敵国ドイツに世界各国から続々と子どもの本が届き、ナチスに迫害され続けたケストナーも尽力し、子ども達が本によって潤っていく様に心が熱くなります。そういえば、『ボタン穴からみた戦争』でも、子ども達は避難や疎開するのに、なんとか一冊でもと、本を持ち出して何度も読んでいました。本は心の支え。2016/05/21

とよぽん

10
イェラ・レップマンという人は、勇気と信念、そして機知に富み、行動力のある素晴らしい人だ。敗戦国ドイツの、家も親兄弟も失って心身ともに飢えていた子供たちのために、世界各国から本を集めて国際児童図書館を作ることに人生のかなりの時間とエネルギーを捧げた。慈悲の塊のような人。本だけでなく、絵画、演劇、討論などを通してドイツの復興を精神面で支えた。本が「世界の架け橋」になることを、世界に証明して見せた偉大な人だ。彼女のような人物の存在を知ることができてよかった。2016/06/04

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