出版社内容情報
はるか遠い時代から続く人びとの暮らし、育まれてきた豊かな知恵。その歩みを地道に記録してきた学問があります。それが民俗学です。本書はこの学問を志す者たちが、人びとの暮らしの実際に迫ろうとした記録です。
内容説明
はるか遠い時代から続く人びとの暮らし、育まれてきた豊かな知恵。その歩みを地道に記録してきた学問があります。それが民俗学です。本書はこの学問を志す者たちが、人びとの暮らしの実際に迫ろうとした記録です。
目次
序章 民俗学という発想とその学風―日本人の暮らしをたどることから
第1部 現場で学ぶ人びとの暮らし(触ることと語ること―被災資料整理の現場から;神呼ぶイベント的祭屋台(太鼓台)―播州三木大宮八幡宮の祭より
共同体の衰退と家族の変容―中国東北地方朝鮮族農村の事例から ほか)
第2部 暮らしを支える知恵と技術(近江湖南地域の暮らしと民具―大津市上田上牧町の事例を中心に;自家用の釜炒り茶からみる日常茶の製茶法と製造道具―九州・四国地方などの事例を中心に;島の若者の将来設計と地域社会―兵庫県姫路市家島の調査から ほか)
第3部 歴史を知る 現在を識る(日本の近現代における祭礼用四神鉾の一考察―江戸から広まった四神鉾について;中国の歴史を通してみる茶館の成立と変容;北朝隋唐時代の東西文化交流研究―ソグド人墓にみるゾロアスター教の芸術表現を中心に ほか)
終章 私の民俗学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Arisaku_0225
10
流し読み。本書は様々な経歴、研究分野を持つ研究者の自分がやった成果を「現場で学ぶ人びとの暮らし」「暮らしを支える知恵と技術」「歴史を知る 現在を知る」の3部に分けて纏められている。以前読んだ『稚魚の自然史』と同じように、分野を学ぶ学部生や院生向けなのだろう。民俗学というとやれ妖怪だやれ民間信仰だと言ったイメージが先行してしまうし自分がこの分野を学ぶ動機がそれなのだから仕方ないが、本書はそれのみでない民俗学の「懐の深さ」がありありと感じられる。そういう意味での「民俗学の射程」なのだろう。2023/04/05