内容説明
うつ病休職者の8割強が真の病ではなかった―。うつ病休職者の増加は、病そのものの広がりではなく、社会的要因の影響を受けた「社会的うつ」の存在が関係しているのではないか。「社会的うつ」から企業と働く人々を救う処方箋。
目次
序章 「社会的うつ」とは
第1章 日本におけるうつ病をめぐる状況
第2章 抗うつ薬とうつ病患者増
第3章 うつ病の操作的診断
第4章 メディア報道の影響力
第5章 うつ病休職者の社会的要因の探索―インタビュー調査から
第6章 うつ病休職者の社会的要因の検証―ケース開発による再診断から
終章 「社会的うつ」のない社会に向けて
著者等紹介
奥田祥子[オクダショウコ]
2016年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程所定単位取得退学。2017年博士(政策・メディア)慶應義塾大学。京都新聞社記者(1994年4月‐1998年7月)、読売新聞東京本社記者(1998年8月‐2017年1月)、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(2016年4月‐2017年3月)を経て、近畿大学社会連携推進センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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29世紀
2
☆1☆精神科医にも患者にも失礼な本だと感じました。本物のうつじゃないのに、メディアの影響やそれによる患者の要望で診断されたうつを「社会的うつ」と名付け、それが増えていると主張している。で、それを明らかにするために半構造化インタビュー調査を実施しているのだけど、対象者が「30~50代の正社員、2~6週間の休職取得者、治癒した人」…。そんなの、該当ケースが多いに決まってるじゃん!6週間までの休職で済んでる時点でうつじゃないじゃん。言うて適応障害じゃん。突っ込みたい部分が多すぎる。こんな認識が広まったら困る。2022/07/13
るなにゃー
0
うつ病による休職は、純粋な医学的な理由ではなく、社会的な理由によるものも多く存在するという主張を客観的に証明することを謳っているが、実際はかなり主観的でミスリードしている。 そもそも取り上げた症例が平均休職期間1ヶ月という軽い症例ばかりで、軽度の適応障害だと思われるケースが散見した。 それに、ある特定の薬物治療を行いたいためにとか、患者を囲い込むためにうつ病と診断するなどごく少数だろう(医師はそんなことしなくても食べていける)。 休職の理由は医療的な必要性と社会的な必要性の両方が合わさったものだと思う。2022/10/09