内容説明
19世紀、共産主義と並びもう一つの「妖怪」としてヨーロッパに姿を現したニヒリズム。20世紀を経て21世紀にますますグローバル化している今、東京とウィーンの8人の研究者がニヒリズムを多角的に論じた、問題提起の書。
目次
1 ニーチェの「ヨーロッパのニヒリズムについてのレンツァーハイデ断片」をめぐって
2 カントにおける価値のコペルニクス的転回―価値ニヒリズム回避の対スピノザ防衛戦略とその破綻
3 キェルケゴールとニヒリズム
4 ニヒリズム―ハイデッガーにおける西洋形而上学の概念
5 他者と沈黙―ウィトゲンシュタインと言語的ニヒリズムの問題
6 パルマコンとしてのニヒリズム―後期エーリッヒ・フロムにおける「攻撃性」研究の視点から
7 自己の生滅の場所への問い―西田幾多郎の「死の自覚」
8 人生の無意味さ、良し悪し、尊厳について
著者等紹介
ペルトナー,ギュンター[ペルトナー,ギュンター][P¨oltner,G¨unther]
1942年生まれ。ウィーン大学博士号取得。ウィーン大学哲学科教授。専門分野は哲学
渋谷治美[シブヤハルヨシ]
1948年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。埼玉大学教育学部教授。専門分野は倫理学・総合人間学
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