内容説明
できあがった歌たちは、心の声で濡れている―短歌と出会って6年の日々。知花くらら、はじめての短歌集。
目次
はじまりは、恋
子宮の声
届かないもの
キルギスの白い羊
ナイルパーチの鱗
十七歳の母
水色のヒジャブ
喰ふとは生きる
母ちやん会議
ほたるいか
ららちやん
砂上0センチ
裸足の花嫁
ラチャダムヌーン
チャオプラヤの恋
珊瑚の約束
赤花の島
あなたのかたち
三十路の恋でした
きみがもうゐないといふこと
無花果のごとく
そして世界がまはりだすとき
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高宮朱雀
13
読み友さんのレビューを読んで、どんな歌を詠んでいるのか興味を持った。 元々知的な印象はあったけれど、三十一文字に登場する彼女は普段見ているオフィシャルな部分以上に、等身大の女性として自身を客観視していて、かつ見聞きした事や経験した事への感情をリアルに切り取っているという印象を受けた。言葉選びは非常に上手い。 ただ、チグハグな印象を受けた物も少なくない。句割れ、字足らず、新旧の仮名遣いが混じっていたり、初句から結句までの間には入れ替えたり、言い換えたりした方が響きの良い時もある。その点がかなり惜しい。2021/06/06
双海(ふたみ)
10
「眠つてゐる君がほどけてするすると真つ赤なリボンになる夢を見た」女優、モデルとして活躍する知花くららの初の短歌集。言葉にしなければ、見過ごしてしまっていたかもしれない一瞬、一瞬、現代に生きる女性の心の深淵を31文字にのせて鮮やかに、高らかに歌いあげる。2023/06/27
トマス
6
2006年ミス・ユニバース世界2位、知花くららの第一歌集。華やかなモデルという印象が強いが、短歌はまっすぐ正直で、景色を、心を、気取らず生け捕りにしている。国連WFPでの貧困国の視察経験や、沖縄出身という出自もあり、弱者の目線を大切にした歌も心に残る。2019/08/17
Naccho
5
短歌、俳句の違いもよく分かっていなかったけれど、大好きな知花さんのこの歌集を読み進めていったら、短歌の世界が気になり始めた。百人一首の背景も理解してみたいと思うきっかけとなりました。 短歌ときくと、小難しい感じかしていましたが、詠まれている風景、景色が想像されるようで、面白い。分かりやすく話すのではなく、聞き手の想像に任せる感じがまたなんとも粋な世界だと感じた。2019/07/10
ぽん
1
淡い恋を詠んだ歌に惹かれて本書を手に取ってみたが、ベッドの艶美な場面も結婚も歌われていて、かと思えば途上国を訪問した世界も詠みこまれている。ぐっとこの人の見た世界に引っ張られるような歌たち2024/10/08
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