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光人社NF文庫
陸軍潜水艦―潜航輸送艇マルゆの記録

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  • サイズ 文庫判/ページ数 259p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784769826620
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

正式名称「陸軍潜航輸送艇」秘匿名マルゆ。設計は陸軍技術士官、建造は機関車・ボイラー工場、そして乗員は元戦車兵。海にはシロウトの陸軍が、計画決定後わずか10ヵ月で1号艇を完成、終戦までに40隻を竣工させ、制空権なき海を遥かフィリピンへも派遣させたマルゆ―日本軍ロジスティクスの欠陥が生んだ決戦兵器を関係者の証言で綴る話題作。

目次

第1章 潜航輸送艇建造計画
第2章 マルゆ部隊の発足
第3章 陸兵、海を走る
第4章 八丈島輸送作戦
第5章 戦火の海をゆく
第6章 マニラ派遣隊の最後
第7章 三島の記憶は深く

著者等紹介

土井全二郎[ドイゼンジロウ]
1935年生まれ。佐賀県出身。京都大学経済学部卒業。日本海洋調査会代表。元朝日新聞編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スカイバニラ

6
日本陸軍が遠方へ物資を輸送するために開発した潜水艦、正式名称は「陸軍潜行輸送艇」。日本の脆弱なシーレーンを体現した奇形児?日本海軍の海上護衛戦に見切りをつけ、陸軍が見出したたったひとつの冴えたやりかた?陸軍潜行輸送艇に関わった人々の証言で綴られた本書は、ほぼすべてが苦労話で痛快さなど皆無なのですが、開発建造時のエピソードや隊員達の服装等、非常に興味深い内容ばかりで面白かったです。2010/11/02

ゆうなぎ

2
当時、世界でも類がない陸軍が開発運用した潜水艦まるゆ。艦これのコミックで興味を持ち、本書を手に取りました。まるゆは輸送を軽視する海軍に見切りを付け、太平洋の前線で戦う陸軍兵に陸軍独自で動かせる輸送潜水艦を作る目的で設計されました。その開発も運用も極秘で行われ、開発は海軍にでさえ秘密で行われました。開発も運用も異例づくし、海軍さんもびっくりの陸軍の決戦兵器。そこには様々なエピソードが存在しました。こんな数奇な運命をたどった潜水艦、世界にも例がないと思います。文章も読みやすく大変興味深く読ませて頂きました。2014/10/05

ジョージ

2
戦争後半の陸軍において、航空機量産に並ぶ最重要任務として設計・量産を開始したまるゆ。そのまるゆの設計・建造と、実際の運用履歴をおった本である。 しかしこのまるゆ、陸軍の中でも軍極秘・軍機密に属する領域が多く、また敗戦と同時に多くの資料が焼却・散逸したために、謎が多いまま放置されている部分が多い。それでも数少ない資料や当時の人物に当たり、丁寧に情報を集めてあった。2014/09/23

ことぶき あきら

2
陸軍に潜水艦があったのか!しかも試作艦などではなく、「戦車の生産を事実上ストップさせて緊急生産」「陸軍が総力をあげて建造」され、実戦にも投入されています。本書では関係者へのインタビューを中心にして「マルユ」の計画から建造、部隊の編成・訓練から実戦までまとめられています。海軍の兵站軽視と陸海軍の縦割りの結果として生まれた陸軍潜水輸送艇「マルユ」は、実戦への投入が戦争末期ということもありますが、乗組員の方の証言ともあいまって、その生涯に何とも言えない悲壮感を感じさせられます。2014/05/29

代理

1
「無理に無理を重ねて」それでも友軍のために奔走したまるゆ部隊。指導部と現場の意識の乖離の凄まじさに悲しくなる。組織上の失敗を淡々と現場が被るのは戦時も平時も変わらない。2016/10/15

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