内容説明
海軍航空隊最後の切り札―新鋭戦闘機「紫電改」を駆って戦い抜いた松山三四三空の六人の若者たちの生涯。昭和二十年七月二十四日の夏空に消えた空の男たちの苛烈な日々を、米側パイロットの証言も得て描いた感動のノンフィクション。彼らは短い人生をいかに真剣に生き、どれ程の思いを残して死んでいったのか。
目次
第1部 還らざる六機(夏空の空中戦;三十三年目の因縁;紫電改浮上;紫電隊の六人)
第2部 それぞれの春(愛の軌跡;海鷲の卵たち;ソロモンの空;山本元帥につづけ)
第3部 非情なる空の掟(隊長鴛淵大尉;特攻無残;重い十字架;空の宮本武蔵)
第4部 生命の火花(精鋭三四三空;源田サーカス;勝利の悲哀;散り行く勇者;転戦また転戦;運命の日;遺された者たち)
著者等紹介
碇義朗[イカリヨシロウ]
1925年、鹿児島生まれ。東京都立航空工業学校卒。陸軍航空技術研究所をへて、戦後、横浜工業専門学校(現横浜国立大学)卒。航空、自動車、鉄道などメカニズムと人間のかかわり合いをテーマにドキュメントを発表。航空ジャーナリスト協会会員。横浜ペンクラブ会員。自動車技術会会員。カナダ・カーマン名誉市民。現住所は神奈川県茅ヶ崎市
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感想・レビュー
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馨
4
紫電改が海から引き上げられ展示されている愛媛県に住む者です。まだ見に行けていませんが。いまだどの隊員が乗っていた機かははっきりとはしていないそうです。 撃墜され海に沈み、最後の力を振り絞り、操縦席から離れて力尽きお亡くなりになった隊員さんの光景、想像するだけでも泣けます。 また引き上げの際にわずかな望みを持って立ち会われた隊員のご遺族の気持ちも・・・。 武藤金義中尉のエピソードは温かい気持ちになりまた切なくなりました。また343が松山にいた時お世話をされていた今井琴子さんのお話も素敵でした。2013/07/14
Tomotaka Nakamura
2
大戦末期のエース達とはいえ、今の自分よりはるかに年若いその時代としては「普通の若者」だったはず。改めて当時の時代環境に想いをいたすこと多し。2016/11/13
ゅりり
2
ざっくりつまみ読み完了メモ。要通読。2016/08/13
しょうご
2
海軍航空隊の最後の切り札-新鋭戦闘機「紫電改」を駆って戦い抜いた松山三四三空の六人の若者たちの生涯。米軍の証言も織り交ぜ若くして散った青年達の人間模様が涙を誘います。
うょ
1
菅野大尉に関する記述があるとのことで手に取った。 6人それぞれの戦果のみならず幼少期から一人の人間としての記録はどれも興味深く、特に武藤少尉に関するエピソードは心に残るものが多かった。 序盤で奥様との結婚に至るまでの記述があり、それだけを見て希薄な夫婦生活だったのだろうと邪推してしまった。しかし、御二方がやりとりした手紙を追っていくと、恋愛結婚ではなく夫婦生活も極端に短かったにも関わらず互いに対する深い愛情が垣間見え涙が出た。 2022/08/09
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