講談社選書メチエ<br> ブルデュー 闘う知識人

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講談社選書メチエ
ブルデュー 闘う知識人

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062586092
  • NDC分類 361.235
  • Cコード C0323

出版社内容情報

今世紀の知に与える影響の大きさはフーコーでもデリダでもなくブルデューが一番だろう。社会における知識人の意味を示した思想とは?エコールノルマル・スュプリウールを卒業し、知識人界の頂点コレージュ・ド・フランス教授に選任されたブルデュー。哲学を学び、やがて社会学に方向転換したブルデューは、今もフランスと世界の思想に大きな影響力を持つ知識人。界・文化資本・ハビトゥスなどの社会学概念は21世紀の社会を分析するのにも有効な武器となる。

序──「わたしはこの国が好きだ」
第一章 人間ブルデュー
第二章 知識人ブルデュー
第三章 同時代知識人に対する評価
第四章 社会学者ブルデュー
第五章 ブルデュー社会学の理論的骨格
終章 若い読者のために
あとがき

著作リスト


加藤 晴久[カトウ ハルヒサ]
著・文・その他

内容説明

ピレネー山脈に近い小村に生まれ、パリの名門高等中学校さらに最高学府エコル・ノルマル・スュペリユールに進んだブルデュー。哲学を修めた後、一兵卒として赴いたアルジェリアでの体験は社会学専攻へと問題意識の決定的転換をもたらす。現実に強い関心を持ち、批判的知識人たらんとしたブルデュー。政治問題にコミットする一方、理論構築にも抜きん出ていたブルデュー。ハビトゥス、界、文化資本などの概念を創出し、社会の動力学を極めた社会学者の「生きた知」を解読する。

目次

第1章 人間ブルデュー
第2章 知識人ブルデュー
第3章 同時代知識人に対する評価
第4章 社会学者ブルデュー
第5章 ブルデュー社会学の理論的骨格
終章 若い読者のために―ブルデューの何をどう読むか

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

32
著者がブルデューに寄り添い過ぎています。著者と交流のあった本人の一次情報は大変貴重ですが、当時の文脈通りに読むことに違和感を抱く今の読者こそ、ブルデューの読者といえるではないでしょうか。今の日本では、ジェンダーバランスに焦点が当たりそうです。アンダーソンが国家の象徴性を指摘したように、ブルデューは資本の象徴性の問題を指摘し、国家と共に資本の象徴性は案外強い。この二つを無化する方向で行くのか、それとも、これらの特徴を指摘してより良い方向に導くのか。今の問題に読み替える著者のアプローチは、残念ながら皆無です。2020/04/22

やまやま

14
ノルマリアンとしての人間関係で目を引いたのは、初期のボスのアロン、また同級生のデリダとの確執であった。正しいアロンより誤ったサルトルが好まれた学生反乱の季節とされる時代を、日本で振り付けるとすれば、既に言及があるのかもしれないが、三島由紀夫と大江健三郎というところであろうか。では、ブルデューに比肩する日本人というのは例示に窮すが、若干知識のある経済学関係では同時代の森嶋通夫氏や宇沢弘文氏のような感覚でブルデューを見れば良いのかもと感じた。なお、ノルマル在学中での「不幸な出来事」の由来は「自己分析」による。2021/01/03

Bartleby

12
必要があって読んだ。著者はブルデューと交流のあった人らしい。彼の人となりが詳しく書かれている。スペイン国境に近いフランスの農村に生まれエリート街道を進んだブルデューはしかし屈折した思いがあったようだ。“ハビトゥス”や“文化資本”なんて彼自身のためにあるような概念だ。辺境の生まれという意味でいくらか境遇が似ているデリダにはライバル心を抱いていたようだ。いかに二項対立を逃れるかという問題意識も共有している。2023/06/30

Yukiko

12
著者の加藤晴久氏の誠実な人柄が、読んでいる間に行間に立ち上ってくる、生きることの大変さと素晴らしさが感じられる本だった。こんなふうに人生を着実に歩める人は幸せだ。 ブルデューの入門書として最初に読むのが良さそうだけれど、迷った時に立ち返るのも良さそうに思う。2023/01/02

柳田

11
ブルデューが何学者なのかも知らなかった、3年くらい前、大学二年生のころに表紙がかっこいいと思って買い、たぶん1年ほどしてから読んだ。Twitterで、社会学者が著者が社会学を全然理解していないからダメ、との旨書いていたが、それは多分かなり専門的な話だろうと思うし、むしろブルデューのコンパクトな入門・解説書が出てほしい。5章には社会学理論について解説があるが、4章まではほぼ伝記で、交友関係とか他の思想家との関係とかが書いてあり面白く読んだ覚えがある。人生とその学問とが結びついていてかっこいいなあ、と思った。2018/04/13

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