内容説明
「海面には大波が立っていても、海の底のほうはものすごく静かで動くようなものはほとんどないような、物事の底にあって動かぬものを詠むべきでしょうし、それが俳句の本質ではないかと思っています」(本文より)。戦中・戦後の激動する時代にあっても自らの作風を貫き、香気あふれる句を表した女性俳人の先駆者が、生まれ育った大阪の街とともに作品世界を語った対話録。
目次
第1回講座 愛すべき家族、そして街並み(不思議な俳縁;天満八軒家に生まれて ほか)
第2回講座 新興俳句との運命的な出合い(師・日野草城の早熟;日野草城の苦境 ほか)
第3回講座 戦中・戦後の俳句界と作風(俳人系譜の疑問点について;戦後すぐに復活した俳句雑誌 ほか)
第4回講座 桂信子自選五十句を中心に(富沢赤黄男の戦場句から;不易も流行も ほか)
著者等紹介
桂信子[カツラノブコ]
1914年、大阪市生まれ。大手前高等女学校卒業後、「旗艦」に初投句、日野草城に師事。’45年、空襲に遭い句稿だけを持って避難。’49年、第1句集『月光抄』を出す。’70年に23年間勤めた会社を退職し「草苑」を創刊、主宰。現代俳句協会顧問。第1回現代俳句女流賞のほか蛇笏賞、勲四等瑞宝章など受賞
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