内容説明
仁侠世界の義理回状とは!!歴史を辿った考察と現状までの研究。次郎長の放免祝いから代目継承・分家創立・義兄弟盃・花興行・本葬儀回状が初めて一冊に。
目次
義理回状の歴史と現状
祝儀編(会津家一家小高三代目披露;飯島一家内山三代目披露;稲川会継承披露 ほか)
不祝儀編(稲川会本葬儀回状;稲葉地一家本葬儀;源清田初代新谷一家本葬儀 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっし~
4
現代であれば到底出版できないであろう。「義理回状」=「日本の侠道界に伝承される例を見ない特異なメディア」を集めた未聞の研究書である。「祝儀編」と「不祝儀編」の二部構成で、「襲名披露」「兄弟縁組」「組葬」「放免迎え」「破門・絶縁状」等の日本語表現の極北がそこに見いだされる。凄みのある敬語表現や口上の詩句が紙面に満ちる。当初は「筆耕」の手により手書きで墨痕鮮やかに認められた回状も、時代が下るにつれて活字印刷になるあたりが時代の流れを感じさせる。2020/02/10
Mentyu
2
暴力団の世界には義理回状というメディアが存在していたという。襲名など重要な儀式や節目には、筆書きの挨拶文と、構成員・後援者名簿が記載された文書が関係者に回される。だから義理回状。これが昭和の中世文書とでも言いたくなるくらい、文献史学向きの文書なのだ。暴力団と政治家とスポーツ界の癒着なんかもガッツリ見えてしまう。2021/11/14