出版社内容情報
イタリアの新星
フランチェスカ・スコッティ、初の邦訳
舞台はイタリアと日本。
ずっと終わらないことなんて、ない
夫婦、恋人、親友、家族……、
ふとした出来事をきっかけに
かけがえのない関係が崩れ、終わっていくシーンを
静かに描きだす15篇のショートストーリーズ。
ウエイトレスがやってくる。コーヒーと温めたタルトの香りがする。一匹の犬が吠える。ウエイトレスは飛びあがり、わたしも飛びあがる。わたしは粉々になったカップを見る。太陽に焼かれた板のあいだを黒い液体が流れていく。わたしがあなたのほうを向き、あなたを呼ぼうと腕をのばしたとき、あなたはもうそこにはいない。空になったあなたの椅子がわたしを怯えさせる。わたしは立ちあがり、あたりを見まわす。あなたはいない。(「ルナ」より)
【目次】
[収録作品]
ルナ
次の駅
亀たちの時間
喉が渇いていて、いま水を飲もうとしている者の平安
びっくりパーティ
ナカノさん
鯨のひげ
朝ごはんで
貝殻の島
誕生日
《ピッコラ・ジェラテリーア》
パンダ動物園
面接
ショーの終わり
月の暦
内容説明
別離のときに交わされる、「さようなら」とのキャッチボール。夫婦、恋人、親友、家族…、ふとした出来事をきっかけにかけがえのない関係が崩れ、終わっていくシーンを静かに描きだす15篇のショートストーリーズ。
著者等紹介
スコッティ,フランチェスカ[スコッティ,フランチェスカ] [Scotti,Francesca]
1981年、ミラノ生まれ。ミラノ音楽院卒業。法学で学士号を取得。2011年、短編集Qualcosa di simile(『なにか似たようなこと』)でRenato Fucini賞を受賞、作家デビューを果たす。2011年から24年まで日本とイタリアで生活する。映画の脚本、ポッドキャストのホスト、音楽プロジェクトのインタヴュアーなど、領域横断的な活動を展開している
北代美和子[キタダイミワコ]
1953年、東京生まれ。翻訳家。上智大学大学院外国語学研究科言語学専攻修士課程修了。日本通訳翻訳学会元会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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