出版社内容情報
ルーベンス、バロッチ、ウェイン、歌川国芳、鈴木春信、卞相璧、ルノワール、ボナールなど、こよなく猫を愛した画家たち。猫が彼らの人生と画業に与えた多大な影響、貴重な生命の響き合い……。まさしく「猫」は「描」かれるべき存在だった! 美術史における猫絵の変容、キリスト教と猫の関係なども踏まえ、それぞれの作品が描かれた背景を濃やかに解き明かす美術エッセイ。奥深い蘊蓄を軽やかに綴った、爽快かつスリリングな物語。
オールカラーで80の名画を紹介 !
内容説明
猫と画家たちと絵画の三重唱。名画から溢れるかけがえのない生命の交歓!
目次
1 『受胎告知』に猫がいる!泰西名画の猫探し
2 生きた、愛した、描いた。猫に殉じた男
3 ええじゃないか!猫づくしの大奮闘
4 江戸流も韓流も、東アジアは猫だらけ
5 二十二匹の猫が大集合!『吾輩は猫である』の秘密
6 「史上最強の猫絵!」スウィート・ホームには猫がよく似合う
7 猫は「超家族」!あなたなしには生きられない
著者等紹介
多胡吉郎[タゴキチロウ]
作家。1956年生まれ。東京大学文学部国文学科卒。1980年、NHK入局。ディレクター、プロデューサーとして多くの番組を手がける。ロンドン勤務を最後に2002年に独立、英国を拠点に文筆の道に入る。2009年に帰国、活動拠点を日本に移す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
35
受胎告知と猫にはびっくりしました。まったくアウトオブ眼中でしたから…。美大出身の人間ではなく、一般の人たちに美術館に行ってもらえるようにきっかけづくりをしてくれている感じが楽しいです。個人的にはボナールが嬉しかったかな。学生時代に彼の色に驚かされたものです。 2023/08/16
宇宙猫
17
★★★★★ 猫の描かれた名画を探し、猫がどういう存在だったのかを考察。それを猫マニアの「猫姫」にぶつけ、猫飼い目線の意見を得てブラッシュアップしていく。絵画のお作法、画家や時代の背景による解釈に猫愛溢れる意見が加わって、いろいろなものが浮かび上がってとても興味深い。猫に意味を持たせる意味合いがあったとしても、結局は作者が猫が好きで書きたかったのではないかという猫姫の意見が響くな。「吾輩は猫である」の初版本の話も面白かった。D2023/07/03
aisu
10
1、受胎告知と猫、2、ルイス・ウェイン、3、歌川国芳、4、江戸時代とか、5、我が輩は猫であるの挿絵、5、ルノワール、6、ボナール。カラーで絵を紹介し、猫の部分は拡大。残念だが私にはこの著者が合わなかった。いきなり「古典絵画に猫がいない(私、いるじゃん!ナニイッテルノ?)→探したら、受胎告知にいました」の流れからして私(…)になってしまった。著者は「文筆家」で、美術の専門家でもないんだな。著者の絵画にも猫にも愛情不足を感じて…。猫に詳しい人(架空?)を出して対話で猫への洞察を深めようとしているのだが…。2024/05/20
takakomama
5
ルーベンスやルノワール、ボナール、歌川国芳や広重、「受胎告知」や浮世絵、古今東西の作品の中に猫探し。ちょっと解釈が強引な気もしますが・・・ 知ってると思っていた作品の中に、言われて初めて猫を見つけました。西洋の猫と和風の猫の違いや「吾輩は猫である」の挿画の話も面白かったです。猫姫の猫愛が強烈です。2024/05/07
kaz
2
国芳やボナールが猫好きくらいのことは何となく知っていたが、その人生との関わりまでは全く思い至らなかった。猫の美術における位置づけの変化も面白い。個々の章を読んでいる時は、それぞれ強く納得したはずなのだが、基本知識が足りない分、ちょっと間を置くと忘れてしまう自分が悲しい。図書館の内容紹介は『ルーベンス、歌川国芳、鈴木春信、ルノワール、ボナール…。猫を愛した画家たちの作品を紹介しながら、彼らの人生とその画業に猫が与えた多大な影響、互いの生命が響き合っていたことを情感豊かに描く』。 2023/09/09
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