内容説明
“政権与党としてのナチス”は国家をいかに運営したのか?政権獲得から敗戦・崩壊までの歴史を、150点に及ぶ画像で明らかにする。政権の選択・民主主義の責任をナチスの歴史から浮き彫りにする。
目次
国民革命
権力の確立
独裁体制の危機と徹底
ナチス国家の社会
ヒトラーの国家
経済政策と社会政策
テロと迫害
不満と反対派
ユダヤ人の迫害
戦争への道
戦争の日常と政権の過激化
総力戦
ユダヤ人殺戮
抵抗
崩壊
著者等紹介
ベンツ,ヴォルフガング[ベンツ,ヴォルフガング] [Benz,Wolfgang]
1941年Ellwangenに生まれる。フランクフルト、キール、ミュンヒェンで歴史、政治学、美術史を学ぶ。1968年博士号取得。1969年から1990年までミュンヒェンの現代史研究所研究員。1990年から2011年までベルリン工科大学教授兼同大学反ユダヤ主義研究センター所長。1992年Geschwister‐Scholl‐PreisならびにDas politische Buch der Friedrich‐Ebert‐Stiftungを受賞
斉藤寿雄[サイトウヒサオ]
1954年、長野県生まれ。東京都立大学大学院修了。現在、早稲田大学政治経済学部教授。専門は20世紀のドイツ詩。2000年から2002年までレーゲンスブルク大学客員研究員、2010年から2011年まで同大学客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
7
ナチスの通史である。以下の一文に本書の内容は表されている。“ナチスがいかにテロとポピュリズム的な施策の相反する手段によってドイツ国民を否応なく体制に順応させたかがよくわかる。飴とムチを巧みに使いながら、ナチスはその独裁体制を極限まで推し進め、経済的な成功(失業の克服)と外交上の成果(ラインラント進駐、オーストリア併合等)に助けられて、その体制をゆるぎないものにした。しかしそれは国民の為というより、ヒトラー及びナチス政権の野望の実現のために利用されたものである事が、この通史の中から自ずと明らかとなってくる”2015/05/02
ルナティック
7
この著者は、お勧めです。初心な方にも大丈夫&物知りな方には細かい情報があり、どなたでも満足できる一冊。ナチスの成り立ち&台頭から、各章、俯瞰的に&時には詳細に、と華麗に展開。写真もあって、これまたお得感あり。政治家が、経済界が、文化人が、そして市民がなぜ支持をしたのか?という面も考えさせてくれる。果たしてナチスが騙した?そういう部分もあろうが、「あの時代」市民は何を求め、何に熱狂したのか、を知るのも良いかと思う。世界が混乱している今、非常に有益な一冊だと思う・・・・まぁ、好きなんだがね、私が(笑)2014/09/17
りんご
1
たまにはこんな本を。歴史好きの僕です。図書館で見つけました。結構写真もあったので。個人名がやたら多くて,誰が誰か分かりません。でも,概略はなんとなく分かりました。 その当時のドイツは,たいへんだったんでしょうね。 2021/03/11
Comics
0
写真が多くて分かりやすい。でも文字も多い。2017/05/01
ソノダケン
0
前の大戦とちがい、ドイツ人の第二次世界大戦への昂奮は限定的なものだった。またナチス党は、共産党の様に厳格な官僚機構を備えておらず、実質的に中間層が党を動かしていた……などなど。まじめな本ではあるが、「エホバの証人」の抵抗といった、おもしろエピソード満載。たとえば女性を讃美する際、「母親のイメージ」を強調しすぎるのは危険だなとか、さまざまな示唆をあたえられた。2014/12/31