目次
沖縄の松木一等兵(思いがけぬ召集;内地帰還が沖縄へ ほか)
沖縄捕虜連隊(捕虜;Bレーションの内容に驚く ほか)
沖縄攻防戦の概況(“もっとも苛烈な戦い”―沖縄戦;日本軍の配備 ほか)
沖縄戦の悲劇(沖縄住民をまきこんだ悲惨;津島丸の悲劇 ほか)
著者等紹介
松木謙治郎[マツキケンジロウ]
1909年福井県敦賀市出身。明治大学卒業。大連実業団に入り社会人野球で活躍後、36年大阪タイガース結成と同時に入団。戦後は同球団の監督、大映のコーチのちに監督、東映のコーチを務め、61年NHKのプロ野球解説者。69年東映の監督。71年TBSの野球解説者。78年野球殿堂入り。1986年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ysmegane59
2
著者個人の戦争体験を感情を抑えた文章で読みやすい。それでも行間から、目の前で起こっていた惨状が読み取れます。著者の本業である野球の話は、最後の数頁。復員後の活躍と大映時代にキャンプ地として訪れた戦後の沖縄。そして、まだアメリカ統治下の沖縄代表として甲子園出場を果たした首里高校へ、スイカを持参した話には胸が熱くなります。著者に体験による記録なので、事実と違う様に思われる箇所もあります。沖縄戦のひとつの記録として読みました。2019/01/21
アメヲトコ
2
故・松木謙治郎さんと言えば、タイガースの初代主将であり、ファンならば必読の『大坂タイガース球団史(旧・タイガースの生いたち)』の著者でもあります。そこでは沖縄で負傷したとたった一言触れられていただけでしたが、これほどの地獄をみていたとは! 嘉手納から首里、そして摩文仁への死の行軍のなかで、生きて帰れたのが奇蹟と言うべき凄まじさで、米軍捕虜になってからの日々とのギャップがまた戦争の理不尽さを思い知らせてくれます。2015/08/29
Eiji Yoshida
1
稀に見る良書。「阪神タイガース」という言葉が書名に入ってるから野球つながりで阪神ファンが手に取りやすいと思うけれど野球オンチの自分がものすごく楽しめました。 「九死に一生を得た」という場面が多いんですがそれはこの人があまりにポジティブ思考なので死神さんが逃げていったんだと思います。2023/01/24
井坂 茜
0
非常に興味深く読んだ。これまで学徒隊の手記や大田昌秀元知事の著書を多く読んだので新鮮。軍事教育を叩き込まれた世代ではなく成人男性であることが、戦争に対する考え方に大きく影響していて、特攻兵に対する思いや「自分もそのうち命を落とす」と思っているからこその諦めに近い感覚、それでいて冷静に女性たちへ捕虜になるようにと諭す姿勢、戦場であるのにお酒を飲む(!)ところ…悲惨な沖縄戦の状況ばかりを読んできたので衝撃であるとともに、兵士と民間人、本土出身者と沖縄県民、それぞれの立場でそれぞれの戦争があるのだと感じた。2024/04/16
-
- 和書
- マンガで読む新潟県の歴史